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積水ハウス子会社で不正発覚、続発する醜聞が明るみになったサブリースの闇!
積水ハウスの子会社で、オーナーから委託を受けたサブリース物件に関わる詐欺行為が発覚した。報道によると、「積水ハウス不動産中部」(本社:愛知県)の営業所長が、自社が管理する長野県内のアパートにいて、リフォーム代金等の名目で、80代の女性オーナーから不当な支払いを受けていたという。
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会社の調査で、施工実態のない工事を名目とする250万円分の領収書が偽造されていることが確認された。その他にも営業所長が女性オーナーの署名を代筆したと思われる1300万円分の注文書があり、女性オーナーから詐取した金額は合計で1600万円程になるようだという。
しかも、この営業所長は20年1月に女性オーナーから当該アパートを買い取っているというから、この売買にも疑惑の眼が向けられている。
サブリースにまつわる問題は、シェアハウス「かぼちゃの馬車」とスルガ銀行の絡みで大きな問題となった。この時は、メルヘンチックな「かぼちゃの馬車」という名前に似合わないお粗末な施工物件の販売業者と、物件を購入するオーナーに対して専属の金融機関のように大半の融資を実行したスルガ銀行に注目が集まった。
販売業者は不動産の賃貸相場を遥かに超える甘い収支見通しで購入希望者を騙し、サブリース契約を締結して賃貸管理業務を行っていた。スルガ銀行は支店の中で「かぼちゃの馬車」の物件説明会を開催させたり、借入価格に見合う収入証明書の偽造を誘導するなどして、数多くの被害者を生み出して社会問題化した。
サブリースは、家賃保証をして賃貸不動産を一括借り上げし、オーナーに代わって入退去の管理も行う。素人のオーナーは「何もしなくても家賃収入と銀行返済の差額が儲かる」ことに乗せられて、入居状況や物件の状態に関心を持つ動機がなくなる。一定年数が経過した後に、保証されていた家賃の引き下げ通知を受けて、トラブルになるケースが多かった。
「かぼちゃの馬車」では、実態とかけ離れた保証家賃に大きな問題があったが、「積水ハウス不動産中部」で発生したのは、長年の管理業務を通して信頼を得ていた業者の職員が、その信頼を逆手にとって詐欺を働くというケースだ。
当該事案の営業所長はリフォームの実態もない工事代金の支払いを受けていたのだから、「社会的な責任」も「コンプライアンス」も、あったものではない。最後は買い取ったというアパートの売買金額に関する報道はないが、「組し易し」と見た高齢の女性オーナーをけむに巻いて”相当安く買い叩いた”としても不思議ではない。
積水ハウス不動産中部では、16年12月に当時の沼津営業所長がオーナーからアパートを購入したことについて、18年12月にオーナーの遺族が「所長に詐取された」という訴訟が提起されている。極めつけは、同社の前社長が自社管理だった物件を、親族が役員の会社を通じて購入していることだ。オーナーの求めに応じて会社が物件の売却金額を査定して、市場で暫く売れなかったから「頼まれて」購入したと、前社長は説明しているようだ。
会社はヒトの集合体だから、中には相応しくない行為におよぶ輩(やから)も出現する。そんな不心得者が出現しないように指導して管理する立場の人たちが、報道されるような行為に手を染めているとしたら、親会社である積水ハウスの責任は限りなく重い。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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