電力自由化を牽引する丸紅の実態

2021年2月8日 16:23

小

中

大

印刷

 電力自由化は周知の通り、2016年に本格的に実施された。電力自由化の流れを牽引してきた1社が総合商社:丸紅だと言って過言ではない。02年の段階で既に事業者に対し高圧電力を提供している。11年にはエネルギー事業を束ねる企業として、丸紅新電力(以下、新電力)を設立した。

【こちらも】丸紅、2Q累計の実態純利益は前年同期比15%減も、純利益見通しの上方修正に伴い中間配当金は増配

 新電力は現在、各種電源(火力・風力・ガスorバイオマス火力・太陽光・水力)による発電所を全国22カ所に有している。個人・法人への電力販売にとどまらず、電力会社向けの「卸」も行っている。「石炭火力」に疑問符が向けられる中「ガス/バイオマス火力」体制が設営されている点も、これからを勘案した時に興味深いと言える。

 新電力では、「電力自由化が施行された当時は料金セグメントに差があったので、電力会社間の歪みに対応した。要するに顧客がいくら電力をしようしても、切り替え前より必ず安くなることを基本メニューにした」と振り返っている。

 電力自由化から約5年が経過した。競合会社も増えてきた。新電力はどんな差別化戦略・戦術を執っているのか。会社側の発信やアナリストの説明を集約すると、以下のようになる。

★低圧電力と比べ高圧電力の基本料金を割安に設定している。対して低圧電力は、電力の使用量に応じた従量料金が割安になる仕様となる。「多様な顧客に、割安感を感じさせる枠組み」と評価されている。

★高圧電力では、特有の料金設定が大きなメリットをもたらしている。実際の使用量に応じた基本料金単価を設定している。つまり使用電力の多い時間帯と少ない時間帯に大きな差がある場合に、よりコスト削減が実感できる。例えば日中の労働が中心のオフィスでは夜間の電力需要は低下する。逆に居酒屋など深夜の時間帯が主となる店舗の場合、朝・昼間は電気を殆ど使わない。言い換えれば、「24時間営業」の業態店舗などは、コスト削減が実感しづらい。

★結果的に新電力の利用者が同業他社に比べ多い点を会社側は「再燃電力発電所を自社で保有している点が、ポイントの1つと認識している。環境に配慮した『再エネプラン』という商品に支持が高いのはその証左ではないか」。

★ここでは詳細は省くが、高圧電力の提案プランはコスト削減にウエイトを置いた「ベーシックプラン」と、「CO2削減プラン」「再エネ電力プラン」。後者は段階的なCO2削減を表明している事業者や、国策とも言える「再生エネルギー活用への注力」を掲げている事業者向け。

 時代に先行した丸紅新電力の歩みは、着実である。先んずれば制す・・・ということか。(記事:千葉明・記事一覧を見る

関連キーワード丸紅電力自由化

関連記事

広告

写真で見るニュース

  • Photo:最後に最上級機種「1300ccのスーパーデラックス」を販売するのが秘訣だった
  • Outback Wilderness(アウトバック ウィルダネス)(画像: スバルの発表資料より)
  • (C) 2020 20th Century Studios. All rights reserved.
  • e-POWERイメージ(画像:日産自動車株式会社発表資料より)
  • 2021年シーズン カラーリングマシン(本田技研工業の発表資料より)
  • ©Bernardo Ramonfaur/123RF.COM
  • ジャイロ e:(ロスホワイト)(画像: 本田技研工業の発表資料より)
 

広告

ピックアップ 注目ニュース