教育心理学に基づくやる気の出し方 子供の承認欲求を満たす方法

2021年1月20日 08:22

印刷

 自分の子供は他所の子と比べるとなかなか勉強を頑張ってくれないと感じることはないだろうか。勉強を頑張れる子と頑張れない子の違いは一体何だろう。今回は年齢問わずどんな人にも共通するやる気の出し方を、教育心理学に基づいて分析する。目標に向かって努力するためには、承認欲求や社会的欲求を満たしてあげる必要があるという。

【こちらも】早くスキルアップするために習い事で心がけるべき4つのこと

■マズローの5段階欲求

 マズローの5段階欲求という説を知っているだろうか。人間の欲求には5つの階級があり、下位から上位にかけて「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」という順番で並んでいる。下位の欲求が満たされることにより1つ上位に欲求が変化していく。

 生理的欲求は人間以外の動物にも共通する飢えや乾きなどのこと。それが満たされることで安全の欲求が発生し、恐れや危険から身を守り、安心を得ようとするという仕組みだ。

■勉強を頑張ろうとするのは自己実現の欲求

 欲求の最上位である自己実現の欲求は、理想的な自分であろうとする欲求である。勉強を頑張ろうとするのは、知識を得ることによってより良い自分になろうとする動機なので自己実現の欲求に当たる。

 つまり、勉強のやる気を出すためには下位4つの欲求を満たしてあげる必要がある。「生理的欲求」と「安全の欲求」は、現在の日本では多くの人が満たされていると思うが、問題は「社会的欲求」と「承認欲求」だ。

■社会的欲求と承認欲求

 「社会的欲求」は所属集団や愛情の欲求とも言われており、集団の一員として認められたり、人から愛情をもらうことの欲求である。主に家族関係が円満であることによって満たされるが、親から存在を認めてもらえなかったりすると欲求不満状態になってしまう。

 承認欲求は人から尊敬を受けることの欲求と言える。他人から注目を集めようとしたり、SNSの投稿にハマるような状態は、承認欲求の不満と言えるだろう。自分で自分を承認できるようになることで、上位の自己実現の欲求に進むことができる。

■承認欲求を満たしてあげるために

 承認欲求を満足してあげるためには、相手の小さな変化に気づいてあげるのが良い。例えば、新しい服を着ていたり、少しおしゃれをしていることに気づいて言及してあげる。表情がいつもより暗かったり明るかったりした時には、様子を伺ってあげるなどが良いだろう。

 子供のことを見守っているサインを送り続ければ、子供は承認欲求が満たされ、勉強へのやる気を出してくれるはずだ。(記事:双風サキ・記事一覧を見る

関連記事