HIS、鉄道オンライン体験ツアーを開始 ファンが集えるコミュニティ創出目指す

2021年1月16日 09:56

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「HISリモ鉄」特集サイトのイメージ(画像:エイチ・アイ・エス発表資料より)

「HISリモ鉄」特集サイトのイメージ(画像:エイチ・アイ・エス発表資料より)[写真拡大]

  • 台湾・彰化扇形車庫(画像:エイチ・アイ・エス発表資料より)
  • インドネシア・ジャカルタ鉄道(画像:エイチ・アイ・エス発表資料より)

 エイチ・アイ・エス(HIS)は14日、鉄道オンライン体験ツアー「HISリモ鉄」の提供開始を発表した。世界29カ国の鉄道パスを取扱う旅行業者の欧州エキスプレスと連携し行う。

 リモ鉄は、オンライン体験ツアーに「〇〇好き」コミュニティの提供を加えた、新たな取り組みの第1弾。リモート環境を有効活用し、各地の鉄道好きが集い一緒に体験するコミュニティの創出を図りながら、商品ラインアップの拡充を進めていくという。

■リモ鉄の概要

 ツアーは、国内外の鉄道・車庫などの中継ライブや体験乗車、解説セミナーなどを企画。細部にこだわった鉄道解説や鉄道の様々な音などと共に、オンライン参加する鉄道好き達と双方向でコミュニケーションが取れる場を提供する。

 国外では、全長約9,297kmの世界最長の走行距離を誇るロシアのシベリア鉄道や、台湾の彰化にだけに残る現役の扇形車庫、インドネシアで活躍する日本製中古車両など、各種見学ライブツアーを企画。国内では、地方のローカル鉄道探訪や首都圏鉄道の休日おでかけパスを使った、マイクロツーリズム案内などを企画している。単価料金は数百円から5,000円未満で設定している。

 ツアー案内人は鉄道に詳しいスタッフが担当。「自宅に居ながら乗った気分になれる」、「細部にこだわった鉄分濃いめのライブ」を届けることなどを使命に「鉄道好きによる鉄道好きの為」のツアーと位置づけている。

■成長するオンライン体験ツアー事業

 HISは、昨年6月頃からオンライン体験ツアー事業を本格開始。好評を得たことで、現在の利用者数は3万人超、世界65カ国でコース数2,000以上と成長過程にある。昨年12月には、オンライン宇宙体験ツアーも開始。また巣ごもりとなった年末年始も、世界6都市の初日の出を生中継で拝めるオンラインツアーなどを企画し予約を集めた。

 事業化のきっかけは、HISのラスベガス支店がホテルやカジノの休業を受け試験的に始めたサービスで、当初は苦肉の策だったという。HISは、新規事業を従業員から募集し事業化するなどボトムアップの取り組みを積極的に行っているが、オンライン体験ツアーも1支店の取り組みを全支店に横展開した形だ。

 ちなみに、昨年5月に募集した新規事業の応募数は約6,000件に及んだという。

 オンライン体験ツアーに鉄道好きコミュニティ提供の付加価値を加えた、リモ鉄。〇〇好きコミュニティを活用した、今後の事業展開に注目したい。(記事:三部朗・記事一覧を見る

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