2020年の世界PC出荷台数、3億261万台 10年ぶりの大幅増に

2021年1月14日 16:11

印刷

記事提供元:スラド

headless 曰く、 IDCは11日、2020年第4四半期および2020年全体のPC出荷台数推計値を発表した(プレスリリース)。

2020年のPC出荷台数は前年から3,494万台増(13.1%増)の3億261万台。PC出荷台数は2011年をピークに減少が続いていたが、2016年以降はWindows 10のリリースWindows 7サポート終了に向けた移行需要で減少幅は小さくなり、2019年には前年比3.1%増加していた。2020年はCOVID-19パンデミックによる在宅勤務・在宅学習の需要に加え、消費者の需要回復がみられたという。年間のPC出荷台数が3億台を超えるのは2014年以来であり、2010年と並ぶ増加幅になっている。IDCではパンデミックがPC市場の需要を喚起しただけでなく、ゲーミングPCの増加やChrome OSベースデバイスが教育用途だけでなくコンシューマー市場にも広がりを見せるなど、新たな機会を創出しており、今後も伸びしろがあると予想している。

2020年のPC出荷台数をベンダー別にみるとトップ5はすべて増加しているが、1位のLenovo(7,267万台)は12.0%増と2桁成長を実現したもののシェアは減少しており、2位のHP(6,745万台、7.5%増)と3位のDell(5,030万台、8.1%増)もシェアを減らしている。4位のApple(2,310万台、29.1%増)と5位のAcer(2,099万台、22.9%増)は大幅に増加しているが、いずれも3位のDellと比べると半分以下にとどまる。

2020年第4四半期のPC出荷台数ではApple(735万台、49.2%増)とAcer(655万台、48.3%増)の伸びがさらに大きく、Lenovo(2,312万台、29.0%増)とDell(1,580万台、26.8%増)も大きく成長している。HP(1,913万台、11.3%増)も2桁成長を実現したものの、シェアはトップ5で唯一減少(20.9%、-2.8)している。6位以下の合計(1,964万台)も25.0%増加しており、総出荷台数は前年同四半期比1,897万台増(26.1%増)の9,159万台となった。

同日発表されたGartnerの推計値でも2020年のPC出荷台数は増加しているが、こちらは前年比4.8%増(1,260万台増)の2億7,515万台にとどまる。Gartnerの推計対象はデスクトップPCとノートPC、Microsoft Surfaecなどプレミアム価格帯のウルトラモバイルを含み、ChromebookとiPadが除外されているのに対し、IDCの推計対象はデスクトップPCとノートPC、ワークステーションで、タブレットやx86サーバーを含まないため推計対象が異なる。ただし、2019年は512万台差だったのに対し、2020年は2,746万台差まで広がっている。

ベンダー別ではこちらも4位のApple(2,245万台、22.5%増)が大きく成長しており、5位のAcer(1,626万台、10.3%増)と6位のASUS(1,642万台、13.7%増)も2桁成長を実現している。1位のLenovo(6,851万台、8.4%増)と3位のDell(4,503万台、2.1%増)は1桁成長にとどまり、2位のHP(5,836万台、0.7%増)の成長幅は1桁に届かなかった。7位以下の合計は減少している。第4四半期の出荷台数でもAppleが31.3%と大きく増加しており、Lenovoも21.3%増加。AcerとASUSも2桁成長しているが、Dellは1桁成長にとどまり、HPは減少している。

 スラドのコメントを読む | モバイルセクション | ビジネス | ハードウェア | 統計 | 医療 | 教育 | ノートPC

 関連ストーリー:
2020年第3四半期、MediaTekがスマートフォンチップベンダーシェア1位に 2020年12月27日
MM総研、2021年にChromebookが国内シェアの24%を占めると予測。GIGAスクール構想の影響で 2020年11月06日
2020年第3四半期のスマートフォン出荷台数は前年同四半期から1.3%減少、XiaomiがAppleを上回る3位に 2020年10月31日

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連記事