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共同が報じたGoTo利用者は発症2倍、元の研究はアンケートベースの査読前論文
あるAnonymous Coward 曰く、 共同通信が『GoTo利用者は「発症」2倍』と見出しをつけて報じたことが話題になっているようだ。この記事では、
PCR検査による確定診断とは異なるが、嗅覚・味覚の異常などを訴えた人の割合は統計学上、2倍もの差があり、利用者ほど感染リスクが高いと結論付けた。
と、見出しを含めて発症した人が2倍とも読める内容となっているが、元の論文はアンケートの回答から、統計的にGoTo利用者のほうが発熱や頭痛といった自覚症状が多いという内容になっている。
記事は東京大学の宮脇敦士氏らの研究チームの発表したプレプリント論文が元になっている。研究チームは、政府のGo Toトラベル事業と新型コロナの感染リスクの関係性を把握するため、インターネット上で15から79歳を対象としたアンケート調査を行ったという。回答者は25,482人でそのうち12.9%の3,289人がGo Toトラベルに参加したという。執筆者の一人である津川 友介氏の記事によると、調査項目は以下の通りとなる(医療政策学×医療経済学)。
GO TOトラベルの利用経験(過去1-2ヶ月以内の利用の有無)と、過去1ヶ月以内に新型コロナを示唆する5つの症状(①発熱、②咽頭痛、③咳、④頭痛、⑤嗅覚/味覚異常)を経験していた人の割合との関連を調べました。
またそれによって得られた結果は次の通りだそうだ。
性別・年齢・社会経済状態・健康状態などの影響を統計的に取り除いた上で、Go To トラベルの利用経験のある人は、利用経験のない人に比べて、過去1ヶ月以内に発熱(Go Toトラベル利用者4.8% vs. 非利用者3.7%; オッズ比 1.9)、咽頭痛 (20.0% vs. 11.3%; オッズ比 2.1)、咳 (19.2% vs. 11.2%; オッズ比 2.0)、頭痛(29.4% vs. 25.5%; オッズ比 1.3)、嗅覚/味覚異常 (2.6% vs. 1.7%; オッズ比 2.0)を、より多く認めていたことがわかりました(図1)。
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