【注目銘柄】鉱研工業は反落も5期ぶり最高純益を見直し割安修正の押し目買い交錯

2020年12月2日 08:48

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 鉱研工業<6297>(JQS)は、前日1日に15円安の445円と3営業日ぶりに反落して引けた。直近安値の400円台下位から60円高し目先の利益を確定する売り物が出た。ただ下値は下ヒゲで25日移動平均線にタッチして下げ止まっており、今2021年3月期純利益が、連続大幅続伸し5期ぶりに過去最高を更新と予想され、ジャスダック(JQ)市場の低PERランキングの第3位にランクされていることを手掛かりに割安修正期待の低位値ごろ株買いが交錯した。菅内閣の脱炭素社会化を実現する「2050年カーボンニュートラル」を目指し、再生エネルギーの地熱発電の開発促進のために規制緩和法案が検討されていることも、潜在材料として意識されている。

■ボーリングマシンの受注残が豊富で厚木工場の売却益も大幅に寄与

 同社の今2021年3月期業績は、売り上げ79億円(前期比3.9%増)、営業利益3億6000万円(同13.3%減)、経常利益2億6000万円(同37.5%減)、純利益9億3000万円(同2.74倍)と増減マチマチと予想されているが、純利益は、2016年3月期の過去最高(8億4000万円)を5期ぶりに更新する。新型コロナウイルス感染症の影響で海外からの主要部品の輸入が遅延して主力製品のボーリングマシンの組立が計画通り進まず、一部ゼネコンのトンネル先進調査ボーリング工事も休工となったが、売り上げは、受注残が第2四半期末で前年同期比18.8%増と豊富なことから続伸し、利益は、伊勢原新工場(神奈川県伊勢原市)建設のための経費増で減益転換するが、純利益は、老朽化した厚木工場を売却し特別利益9億6200万円を計上することから大きく続伸する。伊勢原新工場は、約30億円を投資して11月24日に建設会社と建設契約を締結し、2022年3月に竣工、2022年6月に稼働開始を予定している。

 なお地熱発電については、国立公園内での掘削・開発を進めるために規制緩和する方向にあり、小泉進次郎環境大臣は、来年1月に開会予定の通常国会に関連法案を提出すると表明している。国立公園は国内に30以上あり、再生エネルギーの地熱発電開発のために同社のボーリングマシンへ需要が拡大すると期待されている。

■PERは4倍とJQランキングの第3位に位置し年初来高値抜けから上値追い

 株価は、前期第3四半期の好業績に反応して年初来高値533円をつけ、コロナ・ショック安で年初来安値288円まで売られた。同安値から厚木工場売却で400円台を回復し438円高値までリバウンドしたが、今期第1四半期の伸び悩み業績が響いて380円まで再調整、今期予想業績の開示、伊勢原工場建設発表と続いて459円と上値を追った。PERは、4倍台とJQ市場の低PERランキングの第3位にランクインしており、低位値ごろ割安株買いで年初来高値を奪回し、2018年1月高値685円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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