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フジコン、新型コロナ抗体・抗原検出キット発売 自宅でも唾液で検査可能
(画像:フジコン・コーポレーション発表資料より)[写真拡大]
全国で新型コロナウイルス感染が拡大を見せる中、精度・識別能力ともに高い抗体検査・抗原検出キットの販売が開始される。販売は、医療機関だけでなく、個人向けにも行われる予定で、感染拡大の早期予防への寄与が期待される。
フジコン・コーポレーション(福井県鯖江市)は11日、ドイツLuxus Lebenswelt社の新型コロナウイルス抗体検査・抗原検出キットの販売を開始すると発表した。CE-IVD認定(欧州)及びDAkkS ドイツ連邦認定機関によるISO認証を受けており、欧州で高い評価を受けているという。価格は、1個3500円(価格はいずれも税別)。5セットの場合は1個2,000円、100セットの場合は1個1,500円とする。
従来のPCR検査は、インフルエンザの検査と同様に鼻やのどの奥の粘膜をぬぐい取る必要があり、検査を受けている人がくしゃみをして飛沫が飛び散り、医療従事者に感染が及ぶ危険性があった。今回発売するキットは、特定の試薬を使うことで唾液による検査を可能としており、検査体制をより安全なものに整備することができる。また、PCR検査の所要時間は4~8時間だったが、同キットを使用すれば20分程度にまで短縮されるのも利点のひとつだ。
抗体検査は、自覚症状はなかったものの、過去感染していたか気になる人や、多くの人と接する機会のある人が「過去に感染していたかどうか」を調べることができる。一方、抗原検出は、「今感染しているかどうか」を検査するもので、PCR検査を受けたいが受けられない人や、イベントや帰省前に感染の有無を確認したい人が、病院へ行かずに自宅で検査をすることも可能だ。
厚生労働省の発表によると、新型コロナウイルスの新規感染者数は11日、1,282人にのぼった。さらに、これから年末年始に向けて、イベントや帰省などで多くの人が移動したり集まったりする機会が多くなる。そんな中、医療機関の検査体制をより安全なものとし、個人でも感染の有無を検査できる製品の販売が、感染拡大の早期予防につながることを期待したい。
なお同キットは、前述の通り海外では認定を受けてはいるものの、国内では研究開発用としての使用に限られるため、検査結果を診断に用いることはできない。(記事:笠井ゆかり・記事一覧を見る)
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