三菱倉庫、顧客起点の重点分野サポート体制確立と海外事業拡大で成長に挑む

2020年11月10日 07:54

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「三郷2号配送センター2期棟」(画像: 三菱倉庫の発表資料より)

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 三菱倉庫は、埼玉県三郷市で建設していた「三郷2号配送センター2期棟」が10月31日に竣工したと発表した。全室空調、全床防塵仕様で高質な医薬品物流サービスを提供する。さらに、免震構造や非常用発電機により、地震など自然災害への対応力を高め、災害時に顧客の事業継続を物流の面から支援していく。 

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 三菱倉庫は、三菱の銀行業と倉庫業の前身「三菱為換店」の倉庫業務を継承する有限責任東京倉庫として、1887年に設立され、1918年に現在の商号へ変更した。

 現在では倉庫業に港湾運送業、国際輸送業を加え、包括的でグローバルな物流サービスを提供、企業の物流アウトソーシング需要にも応えている。また、データセンター対応オフィスビルの開発・賃貸を中心に、商業施設、住宅を取り扱う不動産事業も行っている。

 2020年3月期の営業収益は2,291億円。事業別の構成比は、倉庫事業を中核として、陸上運送、港湾運送、国際運送の各事業で構成される物流事業が82%、不動産賃貸、不動産販売等の不動産事業が18%を占めている三菱倉庫の動きを見ていこう。

■前期(2020年3月期)実績と今期見通し

 前期営業収益は2,291億円(前年比0.8%増)、営業利益は前年よりも5億円減の122億円(同3.7%減)であった。

 営業利益減少の要因としては、配送センター新規稼働に伴い不動産取得税の一時費用発生、減価償却費の増加で物流事業が4億円、本社一般管理費の増加で1億円の減益であった。

 今上半期(4-9月)実績は、新型コロナウイルスの影響により国際的な貨物取扱量の減少で、営業収益は1,114億円(前年同期比11.8%減)、営業利益45億円(同32.0%減)の中、今期は営業収益2,130億円(前年比7.0%減)、営業利益100億円(同18.0%減)を見込んでいる。

■2030年長期ビジョンと中期経営計画(2019~2021)による推進戦略

 顧客のパートナーとして、調達から流通・販売までのサプライチェーンを一貫で担うロジステック企業を目指して次の戦略を推進する。

●1. 顧客起点でのサポート体制確立

 「医療・ヘルスケア」「食品・飲料」「機械・電機」を重点分野として、顧客起点のサポート体制を確立し、事業領域、シェアの拡大を図る。

●2.海外事業の拡大

 ASEANで増加が見込まれる高品質なコールドチェーン需要を狙い、「医療・ヘルスケア」「食品・飲料」分野におけるサポート体制拡充と輸出入通関業務を強化する。

●3.港運、不動産事業で安定した利益の確保

 港運事業では、荷役能率を武器に競争力を強化。不動産事業では、複合施設等の開発・運営力強化による安定利益を確保する。

●4.業務プロセスの改善と新技術の活用促進

 全事業の業務プロセスを見直し、IoT、AI、ロボットなどの新技術を活用した効率的なオペレーションにより、サービスの品質と生産性向上を実現する。

 企業のグローバル化が進展する中、国内外に物流48社、不動産7社の連結子会社を抱え、倉庫事業を中核にグローバルにロジスティクス事業を展開する三菱倉庫の動きに注目したい。(記事:市浩只義・記事一覧を見る

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