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家賃が保証されるサブリースに潜む影
■サブリースとは
サブリースとは業者が賃貸物件を借り上げて、その物件を入居者に転貸し、賃料を回収するシステムを指す。そして一般的な不動産経営と異なり、入居者の有無にかかわらず、一定の保証賃料がオーナーに支払われる点が魅力的である。
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しかし、「かぼちゃの馬車問題」(2018年)でサブリースの失敗事例が報道され、サブリースにネガティブな印象を抱く人は多い。
本記事では堅実な不動産経営を実現するために、サブリースに潜む影を取り上げ、システムの理解促進を目指す。
■サブリースは安定した財務基盤が必須
サブリースは業者が得た収益から保証賃料の支払いを行う。「かぼちゃの馬車問題」では、シェアハウスを販売して得た利益の一部を保証賃料としてオーナーへ支払っていた。
しかし、その利益では到底カバーしきれないほど、管理するシェアハウスの収益性が悪化していたのだ。これはサブリースを維持するのが困難なくらいに、入居率が低かった点が原因とされる。
サブリースを維持するためには、業者には安定した財務基盤が必須だ。不動産経営の成功がオーナー・業者いずれも、入居者がいて初めて現実となることは想像に難くない。
■サブリースで注意すべきポイント
入居者の有無にかかわらず、家賃が保証されるというのは聞こえは良いが、特に注意しなければいけないポイントを押さえておこう。
●(1)保証賃料は賃料の80~90%程度
サブリースは家賃が保証される代わりに手数料が高く、現況家賃の10~20%ほどを差し引かれる。よって、オーナーへ送金される保証賃料は賃料の80~90%程度になる点に留意したい。
●(2)定期的な保証賃料の改定
保証賃料は数年に1度、見直しが入る。そのため、契約を結んだ当初の保証賃料が継続的に維持されるわけではなく、下がる可能性も考慮する必要があるだろう。
●(3)契約期間の設定
仮にサブリースが順調で合っても、契約自体には一定の期間が設けられているため、保証賃料と同様に契約内容が継続する保証はない。
■入居が安定する物件であるか
家賃が保証されるとはいえ、先述の通り、不動産経営では「入居がある」という点が成功の大きなカギを握る。そのため、入居が長期間にわたって安定する物件なのかを見極めなければいけないだろう。
言い換えれば、家賃が保証されるからといって安心してはいけない。「かぼちゃの馬車問題」は低い入居率が招いた問題であることを理解しておこう。(記事:大掛翔太・記事一覧を見る)
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