東京海上日動の認知症保険を上回る商品の出現を期待する

2020年10月29日 12:09

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 東京海上日動火災保険(以下、東京海上日動)が企業・団体向けに『認知症アシスト付き年金払介護保険』を発売したのは2019年3月。詳細はHPに譲るが、40歳から79歳以下の人を対象にした「団体総合生活保険」。本人の認知症はもちろん、親が介護状態になった場合も補償対象となる。

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 「要介護度3以上に認定された場合、保険金額を年間100万円に設定したとすると10年間に最大1000万円が受け取れる(親を保険対象として加入することも可能)」という枠組み。

 「年間10万人の介護離職者が出ている」といった状況下だけに魅力を覚えた。一部を後述するが厚労省では基本的に、日常生活の不自由ぶりを基準に9段階の「認知度」を定めている。対して要介護度3以上の括りで対象者を定めた点も「おぬし、やるの」と受け止めた。

 そんな東京海上日動が10月2日付けで、<認知症アシスト付き年金払介護補償に新たなサービスを付帯~ブレインパフォーマンス(脳の健康度)のセルフチェックツール「のう KNOW(のうのう) 」の提供~>と題するリリースを配信した。

 KNOWはCogstate社(豪州)が開発した通称:CBB(認知機能テスト)に関し、エーザイが日本での認知機能セルフチェックのためのデジタルツール(雑貨)を独占的に開発・商業化するための業務提携契約を結んだ結果の開発品。

 CBBは、「精神運動機能」「注意」「作動記憶」「視覚学習」を評価する4つの認知機能テストから構成されており、米国をはじめとする海外では既に使用されている。具体的にエーザイの開発ツールは、トランプモチーフにした簡便なテストで構成されており、前記の認知機能評価が約15分で測定できるという。それにより「認知機能の変化を客観的に確認」し「日常生活の見直し」「専門医やかかりつけの医師への相談のキッカケをつくりだす」ことが期待される。

 また東京海上日動とエーザイは業務提携に基づく取り組みとして、「認知症に対する正しい理解の普及のための疾患啓蒙活動」「認知機能セルフチェックを日常的に行える環境整備」「保険商品の普及策」等を検討しているという。

 認知症の予防や進行の防止策と同時に、保険各社には特異商品開発の競争に是非にも拍車をかけて欲しい。

 なお厚労省の見解をまとめると、認知度の判断基準は(I)から(M)の9段階に分けられる。見られる症状・行動例では「たびたび道に迷うとか、買い物や事務、金銭管理など、それまでできてきた事にミスが目立つ:III段階」「服薬管理ができない、電話応対・訪問者対応などができず1人の留守番ができない:IV段階」「着替え・食事・排便に支障が生じ、徘徊・失禁・大声奇声を上げる等:VI段階」「せん妄・妄想・興奮・自傷・傷害等の精神症状に起因する問題行動が継続する:IX段階」といった具合。

 財経新聞でも繰り返し記しているが「薬がない」限り、予防・進行抑制策や備えての保険商品の開発は不可欠である。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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