ヨーク 2020年秋冬コレクション - パウル・クレー、色彩の深みに包まれる

2020年9月2日 17:14

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記事提供元:ファッションプレス

 ヨーク(YOKE)の2020年秋冬コレクションが発表された。

■パウル・クレー、その色彩と芸術

 20世紀スイスの画家であり美術理論家であったパウル・クレーは、1914年、チュニジアに旅行し、この地に溢れる鮮やかな色彩に魅了されたという。以後、クレーの画風は一転、色彩豊かな独特の作品を生み出すこととなった──今季のヨークは「パウル・クレー(PAUL KLEE)」をテーマに、その鮮やかにして深みのある色彩、彼独特の芸術の才能を衣服に落とし込んだ。

■クレーの絵画を思わせるニット

 一見してクレー独特の抽象画を彷彿とさせるのが、鮮やかなブロック状の柄を組み合わせたニットだろう。ざっくりと緩めのシルエットを基調に、オレンジを主体に鮮やかな色彩をのせた。また、モヘアニットも、ブルーからグレーにかけて滲んだような階調を織りなしている。

■奥行きのある色彩

 ニットに見られる深みのある色彩は、コートにも織り込まれている。ゆったりとダブルブレスト風に仕立てられたチェスターコートは、ブラウンやグレー、チャコールなどの糸を使用し、深みのあるグレンチェックを表現。フロントにはマネークリップに着想を得たパーツをボタン代わりに配した。また、メルトン素材のダッフルコートやショート丈コートなどは、ぼやけるようなベージュやブラウンが奥行きのある色彩感を生んでいる。

■異素材を組み合わせたリバーシブルアイテム

 ところで、パウル・クレーは音楽家の両親のもとに生まれ、パウル自身も優れたヴァイオリンの腕を見せた。絵画と音楽の二重の才能──この二面性もまた、今季を特徴付けるモチーフである。たとえばゆったりとしたシルエットのトレンチコートにはガウンを掛け合わせ、ジッパーを調整することでシルエットを変えたり、セパレートさせたりすることができる。また、フリース素材を組み合わせたコートなどは、リバーシブル仕様で表情を変えられるよう仕上げた。

■螺旋を描くように入り交じる──

 入り混じるような色彩、二重の才能。螺旋を描くように“入り交じる”モチーフは、あるいはニットにも見られる。スリーブのみに上品な編み模様を施したカシミア主体のニットや、大胆な編み込みを施したマフラーは、シンプルな表情だからこそ編み模様が引き立つ。また、2種のニット地を織り込むことで作ったクルーネックニットは、それだけで十分な存在感を示している。

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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