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【どう見るこの相場】「巣ごもり投資家」の逆張りも期待して石油、金の資源株に「温故知新」相場
昭和日本の資源株を巡るエピソードは数多いが、なかでもどうしたって出光興産<5019>(東1)のイラン産石油製品の輸入、帝国石油の磐城沖ガス田の開発、住友金属鉱山<5713>(東1)の菱刈鉱山の開発の3つは取り上げたくなる。個人的な記憶のカケラが、頭の奥深くに残っているためらしい。出光興産では、国有化で英国と係争中だったイランの石油製品を積み込んだ日章丸が、英国海軍の駆逐艦の監視・封鎖網の裏をかいくぐった神出鬼没ぶりは、テレビがまだ全国放送となっていない時代、ラジオのニュースとして伝えられ手に汗を握ったものである。
磐城沖ガス田や菱刈鉱山の開発も、いずれもいまは廃刊となった証券専門紙のスクープ記事の連打のたびに、株価が高値反応し市場の大穴銘柄として注目を集めた。磐城沖ガス田の試掘の最終段階では、水戸証券<8622>(東1)の支店の屋上から洋上遥かにガスフレア燃焼の煙が立ち上るのが見えたなどの地元情報も地場に流れ、賑わいを増した。菱刈鉱山も試錐探鉱中に、証券専門紙が、高品位の金鉱脈を掘り当て世界最高品位の金鉱山と持ち上げた報道に対して、住友金鉱の担当者が、わざわざ新聞社の編集部を訪れクレームをつけたが、その後発表された探鉱結果は、平均品位は当然、報道よりも低かったものの、同程度の品位の金鉱石も一部含まれていて、取材力に改めて舌を巻いたものだ。
なぜこうしたエピソードの記憶のカケラが甦るかといえば、茨城大学大学院の安藤寿男教授(地質学)の論文に刺激されたからだ。報道によると同論文では、茨城県北茨城市の五浦海岸から福島県いわき市に掛けての海岸線には、巨大ガス田が賦存した岩石の痕跡があり、その資源量は、東京ドーム5個分で国内最大級の関東天然瓦斯(K&Oエナジーグループ<1663・東1>)の千葉県のガス田に匹敵したという。海洋性動植物プランクトンの死骸が地熱で分解され石油がある可能性もあるとも指摘された。現在も、有望なガス田が眠っているとの分析結果のようである。
日本は、資源小国といわれてきた。しかし四方を海に囲まれ、その海洋には膨大な資源が眠り、「燃える氷」といわれるメタン・ハイドレート、鉱石資源が豊富な熱水鉱床、レアメタル鉱床のコバルト・リッチ・クラストなどの深海底資源の採取を実現すれば、資源大国に大変身する夢も語られてきた。米国が、シェールガスの開発に成功して世界最大の産油国に返り咲いたのと同様である。また金・銀の鉱物資源に関しても、生産方式が確立した江戸時代には世界最大の生産国になっていて、銀本位制を採っていた当時の欧州列強の覇権争いを左右していたともいわれている。
8月相場は例年、夏枯れ相場となる。市場のメーンプレーヤーの海外投資家が夏季休暇入りとなるためで、商いが細り「閑散に売りなし」ともいわれてきた。ただ今年はこれに新型コロナウイルス感染症の再拡大が重なることになり、「閑散に売りあり」か「閑散に買いあり」か予断を許さない。折から発表が続く4ー6月期決算は、日米とも惨憺たる経過で業績相場が業績悪相場に一変しそうで、市場のセンチメントを不安定化させている。
しかしである。今年3月のコロナ・ショック安後の急反騰場面では、緊急事態宣言発出に伴う外出自粛で、テレワーク中の「巣ごもり投資家」が大量に市場に進出し、海外投資家の売りに果敢に買い向かう逆張りで大きなリターンをゲットした。米国市場でも、著名投資家のウオーレン・バフェットが損切りした空運株を逆張りしたロビンフッダーの例もある。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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