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始まった自動車業界の危機 日産、20年4-6月期は1539億円の営業損失
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日産自動車は、2020年4月~6月期の連結決算で、1539億円の営業損失を計上した。1539億円のキャッシュが3カ月で消えたことになる。キャッシュが「湯水のごとく流れ出している」のだ。
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他社も同じだが、これまでの蓄え、つまり流動資産とすぐに処分できる固定資産がどのくらいあるのか、とこれまで売り上げが下がった時に損益分岐点を柔軟性に下げることが出来る仕組みが出来ているのかが胆だ。それはトヨタのTNGAに見られるように、生産方式の効率化をこれまでどこまで進めていたかによるところが多大なのだ。
大手の企業経営者には、「赤字の時期もある」程度に受け止めている人材も多い。しかし、「赤字」とはキャッシュを失っていくことなのだ。中小企業の親父なら、「銭を失っていく感覚」を持つことも出来よう。体力のある大企業においては、カネの動きがよく理解されていない。
日産は、「1台売るごとにキャッシュをつけて」買ってもらっている状態である。「お客さんにお金を渡している」のだ。どうして、こうした事態になっているのか?
現在のコロナショックをリーマンショックと比較して語ろうとしてきた経済専門家が多いが、「人間の存在自体の問題」と「金融システムの揺らぎ」とを比較すること自体、的外れだ。経済システムの中で生活してきた人間が、経済システム自体が『人間が作り出した「幻」のような存在』であることを理解できていないのだ。
スバルが、この時期に在庫の整理をしているようだ。利口な動きだが、それもスバルに余裕があるからであろう。それもすぐに尽きてしまう。トヨタでさえ、サプライヤーチェーン、いや「下請け組織」を維持できるのかが問われる。
サンデンホールディングスが私的整理に入ったが、独立サプライヤーであることが弱点となっている。系列にいないことが、こうした事態においては弱みになる。
しかし、日産・三菱・ルノーなどのように系列のトップメーカーが傾けば、系列であることが弱点となる。かつての日産の倒産劇の時のように、メーカーは自分の商売の失敗に対して系列企業を切ることで責任転嫁して回復を図る。
日本の自動車産業の強さの象徴だった系列サプライヤー、いや「下請け企業」の運命はこれからだ。トヨタも含めて全てはこれからだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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