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JR九州、7月豪雨で345件の被害確認 復旧には数年か
●甚大な被害を受けた肥薩線・久大本線
JR九州は、7月に九州地方を襲った豪雨による被害状況を発表した。7月12日時点で全体では345件の被害を確認しているが、特に甚大な被害を受けたのが肥薩線で、球磨川第1橋梁や第2球磨川橋梁が流出。他にも多数の場所で盛土の流出や倒木を確認。また久大本線でも第2野上川橋梁が流出し、他にも橋脚の傾斜やトンネルや線路への土砂の流入が確認された。
現時点で両線の復旧の見込みは立っておらず、これまでの同様の被害状況から考えると復旧には数年を要すると見込まれている。
●物流の大動脈も被害
今回の豪雨で被害を受けたのは、山間部を結ぶ路線だけではない。日本の大動脈の1つである鹿児島本線も被災、熊本地区では大規模な土砂の流入があり、鹿児島地区でも土砂流入による被害が確認されている。
貨物列車の走行する肥薩オレンジ鉄道も被災した。都市間交通だけでなく、貨物輸送にも大きな影響を与えているため、復旧に向けた工事が進められており、8月上旬の復旧を目指している。
●8月8日までは九州横断鉄道は壊滅
今回、久大本線が被災したことによって、九州を横断する路線は全て不通となっている。8月8日に熊本から別府を結ぶ豊肥本線が熊本地震以来の復旧を果たす見込み。現在鉄道で、熊本から大分方面に移動するには、小倉を経由する鹿児島・日豊本線ルートか、九州新幹線と日豊本線を使うルートしかない。
●夏休みの観光需要を直撃 影響は長期にわたる
今回被災した肥薩線と久大本線は、営業係数が赤字ではあるものの、九州の鉄道と観光を支える重要な路線である。
久大本線は、JR九州の売り出している観光列車の「ゆふいんの森」が走り、肥薩線はSL人吉ややまなみ・かわせみ号といった観光列車が走っている。どちらも観光客からの人気が高く、地域の経済を支えているものでもある。両線の復旧には数年かかると見込まれているが、一刻も早い復旧が望まれている。(記事:speedbird・記事一覧を見る)
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