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英語のリスニング力があるとは? イメージしにくい単語を日本語介さずに理解できるか
日本語を母国語として育った場合、(日常的な言葉であれば)どんな言葉でも聞いた瞬間に意味をイメージできるものだ。しかし英語の場合、ある単語を耳にしても、いったん日本語に置き換えてから英語に翻訳するという過程を辿ることが多いのではないだろうか。この状態では、英語のリスニング力はまだ十分とは言えない。
【こちらも】意味を理解できるリスニング力を獲得するための学習法
■日本語を介さずに英語をイメージできる状態とは
英語のリスニングができるということは、ある英語のフレーズを聴いた時に、日本語を介さずに瞬時に意味をイメージできることを言う。日本語で意味を考えている段階で、まだリスニング力が付いていない証拠なのだ。
それでは、どうやって日本語を介さずに英語のままイメージできるようになるのだろうか。いろいろなやり方はあるだろうが、やはり、大量の英語を聴きつつ、自分でもたくさん使っていくしかない。そうやって、耳で聴いた音声が脳の理解を司る部分に直結するように、英語専用のルートを脳内に作り上げていくのである。
■映像でイメージしにくい単語は理解しにくい
たとえば、英語でも「Hello」と聴けば、誰でも日本語を介さずに理解できるだろう。「dog」や「cat」などの馴染みのある単語も、いちいち日本語で「犬」や「猫」と置き換えなくても具体的な動物をイメージできる。ところが、「sympathy」、「empathy」、「compassion」のような映像イメージが伴わない言葉はどうだろうか。
上記の3つの単語は、それぞれ「sympathy」を「同情」、「empathy」を「共感」、「compassion」を「同情、共感から相手を助けたいと思う気持ち」と日本語にすることは可能だ。しかし、「Hello」や「dog」などと比べると具体的なイメージが浮かびにくい分、聴いても瞬時に理解できないだろうし、3者の微妙な違いまでイメージできる人はそういないと思う。
それはやはり、これらの単語に出会った回数が「Hello」や「dog」などと比べて圧倒的に少ないからだし、それらの意味の違いをじっくり考えたこともないからだろう。
■視覚以外の感覚も活用する
上記のようなビジュアルイメージを想起しにくい単語を、日本語を介さずに理解できるようには、どうしてもそれ相応の修練を必要とする。単語単体で覚えようとしても、脳への刺激が少ないため記憶に残りにくい。ただ、その単語を含む文章を何パターンも用意することで、それらに共通するイメージが徐々に浮かび上がってくるはずだ。
さらにそのイメージに合わせて、何らかのジェスチャーをしながら文章を何度も復唱するうちに、それぞれの単語のイメージが脳内に強固に植え付けられていくだろう。
このように、英語を聴いて瞬時に理解できる状態になるまでには、大量に英語を聴くことと同時に、聴覚以外の刺激も活用しながら工夫することが大切だ。一朝一夕でできることではないが、続けることで脳内の英語のルートは着実に太くなり、意識しなくても英語を聴いた瞬間にイメージが浮かぶようになるだろう。
乗り物に乗って英語のアナウンスを耳にした時、意識しなくても言っていることがイメージとして頭の中に入ってくる段階になれば、英語のリスニング力はかなり付いてきたと思ってよい。(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る)
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