火星でヘリコプターを飛ばす瞬間が近づいている

2020年6月29日 18:45

印刷

記事提供元:スラド

taraiok 曰く、 NASAは7月20日に打ち上げられる予定の火星ミッションで、地表に実験用のヘリコプターを降ろすことを計画している。この火星ヘリコプターは「Ingenuity(優れた想像力)」という名称が付けられており、ロボット探査の新しい方向性を模索するという(The New York Timesslashdot)。

火星での飛行は簡単ではない。重力こそ地球の3分の1ほどだが、火星の表面では大気の密度は地球の100分の1と大気が薄いためだ。とくに火星の表面から離陸することは難易度が高いという。地球の高度100,000フィート相当を飛ぶのと変わらない。これは、ジェット旅客機が通常飛行する高度の2倍以上に相当する。

NASAジェット推進研究所のプロジェクト・マネージャーであるMiMi Aung氏は、別の惑星ではあるが、ライト兄弟が飛び立つ瞬間に似たものとなるだろう。約20年前は実現できない目標だと思っていた。しかし、電子機器の小型化やバッテリーの進歩、軽量に成形できるブレード材料などの技術が登場し、火星での飛行機械の夢が可能になったと語っている。

 スラドのコメントを読む | サイエンスセクション | サイエンス | 宇宙 | NASA

 関連ストーリー:
国際宇宙ステーションのトイレが秋に大幅アップデート。有人火星探査船用の試験も兼ねる 2020年06月18日
NASA、火星ヘリコプターの名前を「Ingenuity」に決定 2020年05月05日
大航海時代の世界一周旅行と火星旅行ではどちらがリスクが高いか 2020年04月02日
NASAの新火星探査車の名前、「Perseverance」に決定 2020年03月07日

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連キーワード

関連記事