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楽天のあまりに続く不手際に、総務省も「こんなケースは聞いたことがない」とあきれ顔
新型コロナウイルスの感染拡大でスタートダッシュに水を差されてしまったのが、楽天の携帯キャリアへの進出だ。本来は19年10月に華々しくスタートする筈だったが、基地局の設置が進まず延期に追い込まれた。延期が決定されるまでの間、三木谷会長は自社の基地局の設置が予定通りに進行しているという認識を、自信タップリに披歴していたが、同業他社も関連業者も疑問を呈して首を捻るという不可解な認識のズレが存在していた。
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4月になって楽天がやっと通信キャリアへ名乗りを上げた時期には、社会の関心が新型コロナウイルスの感染拡大防止に集中していた。100年に1度と言われる感染症の拡大を防止するため、緊急事態宣言が発動されようとしている時期に、毎月数千円のコストカットのために通信キャリアの変更を検討する人が少なくなってしまったのは当然だ。
楽天のキャリア進出が新型コロナウイルスによって、大きく水を差されてしまったことは不運としか言いようがない。基地局の設置スピードが思い通りに進まなかったことは悔やまれるが、自業自得のようなものだ。
スタートダッシュでつまずいた上に、追い打ちをかけるかの様な後ろ向きの話題が飛び出した。楽天モバイルが基幹モデルと位置付ける「楽天ミニ」の対応周波数を、総務省に無断で変更していたことが発覚したのだ。楽天では「当該変更の追加申請は不要だと、メーカーや認証機関の事前回答を得ていた」と弁解しているが、総務省から電波帯の割り当てを受けている通信キャリアとしては前代未聞の事態だと言う。総務省では26日を期限として報告を求めたが、結果次第では行政指導もあり得る事態だ。
最悪で行政指導が懸念されるような対応周波数の変更に対して、楽天から相談を受けたメーカーや認証機関が「対応不要」と軽々しく回答していたことが事実なら、存在理由すら問われかねない無責任振りだ。是非、メーカーと認証機関の具体名を公表して貰いたい、と感じているのは総務省だけではないだろう。
周波数問題の報告期限となっていた26日、今度は認証番号で総務省から指摘を受けていたことが発表された。周波数問題でミソを付けた「楽天ミニ」には、対応周波数が異なる3種類の機種がある。それぞれの機種には電波法の定めにより固有の認証番号が付され、日本の通信規格に適合している証となっている。
楽天は「(もとが同じ端末なので)問題ないと認識していた」との理由で、「2代目」に定められた認証番号を「初代機」に付けていたと言う。3月以降に発売された「2代目」の認証番号が、1月以降に発売された「初代機」に付けられていたと言うから、そもそも発売時期すら逆転している。総務省も怒りを通り越して、「こんなケースは聞いたことがない。もっと勉強して欲しい」とコメントするほどの呆れようだ。
今、楽天に求められるのは、携帯キャリアに相応しい組織づくりではないだろうか?(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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