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英語のリスニング力がアップする!? 倍速学習の効果と誤解

2020年5月25日 13:35

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 英語のリスニング学習の方法として、よく話題となるのが倍速学習の効果である。通常より速いスピードで再生する英語の音声に慣れることで、ネイティブスピーカーの話すナチュラルスピードでもゆっくり聞こえるようになると言われている。

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 しかし、特に初学者に注意してもらいたいのだが、速いスピードで聞けば自動的に英語力が上がるわけではない。倍速学習の効果が得られるのは、一定の条件を満たした時のみである。

■倍速学習の陥りやすい危険性

 もはや再生速度を変更できる音声プレーヤーは珍しくない存在だ。だから、その気になれば誰もがすぐに倍速学習を始められる。しかし始めるのは簡単でも、誰にでもおすすめできる学習方法ではない。そもそも理解できない英語なら、どんなスピードで聞いたところでやっぱり理解できないままである。

 車で高速道路を走った後に一般道を走ると、ふだんの時速50キロでもかなり遅く感じられる。これと同じ理屈で、1.5倍速など通常より速いスピードの英語に耳を慣らしておけば、ナチュラルスピードに戻した時にゆっくり聞こえるようになると言われている。ただ、確かにゆっくりになったと感じられるだろうが、それと英語の理解力には関係がないことに注意したい。

 たとえば、バッティングセンターで時速180キロの剛速球に目を慣らしたとしよう。そのスピードに慣れた後なら、たとえプロの投げる150キロの速球とはいえ遅く感じられるだろう。しかし、遅く感じられたとしても、150キロの剛速球には変わりない。必要な身体能力や正しいフォームなどが欠如している素人が打ち返すことは不可能だろう。

 英語の倍速学習にも同じことが言える。倍速で聞いた後に通常のスピードで聞くと、確かに遅く感じられる。しかし、たとえば読んで意味が理解できない文章なら、いくら遅く聞こえたとて理解できないままではないだろうか。リスニング力がアップしたように感じられたとしても、それは誤解に過ぎないのである。

■倍速学習に効果が期待できるケース

 倍速学習が効果を発揮するのは、ナチュラルスピードで話される内容が完全に理解できる場合のみである。ナチュラルスピードで聞き取れない音声を、倍速で何度聞いても聞き取れるようにはならない。逆に、すでに聞き取れることができ、内容もよく理解している音声なら、英語の処理速度の向上効果などが望めるのではないだろうか。

 倍速学習には上記のような落とし穴がある。ただ、何度も復習して隅々まで理解した素材を使うなら、ある程度の効果が認められるだろう。具体的な効果のほどは断定できないが、少なくとも時間の節約にはなる。忙しい日々のなか、TOEICなどのテスト対策でさらに効率の良い復習方法を探している人にはおすすめだ。(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る

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