「おおぶねJAPAN」がTOPIXを8.6%上回る ファンドマネージャーも自己資金を投資

2020年5月22日 17:23

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 農林中金バリューインベストメンツが2019年12月に設定した投資信託「農林中金〈パートナーズ〉おおぶねJAPAN(日本選抜)」が、初めてとなる月次レポートを公開した。同レポートでは、同投信をファンドマネージャーが自己資金で保有していることが明らかになった。

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 ファンドマネージャーの保有状況の開示は、投資家とファンドマネージャーの利害の一致をアピールする狙いがありそうだ。

 運用成績も足元では比較的良好だ。21日の基準価額は9,470円で、設定から5.3%下落するも、TOPIXは同期間で約13.91%下落している。設定直後からコロナの影響を受けたものの、市場平均を超えるリターンを稼いだ。

 ファンドマネージャーが自己資金を投じる姿勢は、運用責任に説得力を与える効果が期待できよう。

■ファンドマネージャーは4月に自己保有を18.7倍に

 レポートでは、ファンドマネージャーが自己保有する金額は具体的に示されておらず、指数化された相対的な数値を開示した。

 ファンドマネージャーの自己保有口数は、4月2日時点を100とすると、4月末時点では1,870となった。継続的に資金を投入したようで、ファンドマネージャーの平均取得基準価額は4月末時点で約8,800円だ。

■有望な80社に投資

 〇銘柄選別の3要件
 ・付加価値の高い産業:「必要か?」
 ・圧倒的な競争優位性:「強いのか?」
 ・長期的な潮流:「続くのか?」

 〇組み入れ上位5社
 ・キーエンス
 ・東京エレクトロン
 ・SBIホールディングス
 ・良品計画
 ・パーク24

 同投信はアクティブ運用の投信で、市場平均を超える運用成績を目指す。国内の上場企業約2,000社の中から、上記3要件を満たすと考えられる80社に投資する。ウエイトに差は原則設けない。

 コロナで市場全体が下落する中、同投信の運用哲学は一定の効果を上げているようだ。

■投資家とファンドマネージャーの利害が一致

 ファンドマネージャーが自己資金で同じ投資信託を持つ姿勢は、投資家にとって好感材料だ。投資家と利害が一致し、運用成果の向上が期待できる。

 米モーニングスターによる2015年の調査では、ファンドマネージャーの自己投資額が大きいファンドほど、5年リターンがカテゴリー平均を上回る確率が高かった。

 同投信の時価総額は10億円に満たない。良好な運用成績とファンドマネージャーの自己投資が資金の獲得につながるか、注目したい。(記事:ファイナンシャルプランナー・若山卓也・記事一覧を見る

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