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スペースマーケット上場が示す「シェアリングエコノミー」時代の進捗
4月には「オフィス間借り」支援サービスも開始。(画像: スペースマーケットの発表資料より)[写真拡大]
シェアリング市場が拡大基調を強めている。モノを「所有」することから「シェア」することにシフトしている。車や家具、衣料品などをはじめとしたモノ。スキル。ビルなどの空間も然りである。時間単位に余剰スペースを貸し出すことで、新たな収益が生まれる。ビルオーナーとっても保有物件のバリューアップにもつながる。
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昨年12月に東証マザーズに上場した、スペースマーケット。スペースを1時間単位で簡単に貸し借りできるプラットフォーム「スペースマーケット」を運営している。掲載スペース数は1万2000を超え、掲載数は日本最大級。
会議室、住宅、古民家、スタジオなどを掲載。会議・撮影・テレワークなどのビジネス利用から、誕生会や歓送迎会などのプライベートパーティーなど多種多様に利用されている。2014年にスタート。貸し出しスペースは増加し続け、利用者も全国に広がっている。
重松大輔社長はシェアリングエコノミー協会の理事として業界全体の発展へ向け、法的な整備をはじめ様々な取り組みと対峙している。
「創業当時、スペースシェアの市場は海外では既に普及し始めていたが、日本ではまだほとんど知られていなかった。貸会議室の検索サイトがあるくらいだった。サービスを開始した初年度に年末のパーティー需要が増加し、徐々に登録スペース件数も増えていった」と振り返る。
スペースマーケットが早々に上場企業の仲間入りを果たしたのは、時代ニーズの高まりを背景とした施策の妙に求められる。
例えば大手企業との連携にも力を入れている。昨年は「スペースマーケットパートナーズ」を立ち上げ、大東建託やワタナベエンターテイメント、東京メトロ、東京建物(東京都中央区)など合計38社と業務連携している。スペースシェア市場のさらなる拡大の礎策を打った。
重松氏は「上場は、スペースシェアの文化を当たり前にしていく上の一つの段階に過ぎない。価値ある良質なスペースを増やし、働き方や遊び方、暮らし方など、社会のニーズに合わせて利用の仕方を提案していくことでスペースシェアの文化をさらに拡大させていきたい」と強調している。
シェアリングエコノミー時代の期待は、スペースマーケットの新規公開にも見て取ることができた。公開公募価格590円に対し12月20日の初値は1306円。23日に1990円まで買われ利食い先行入り。大納会を1600円で通過し2月1日には1780円まで買いなおされた。が、コロナウイルス禍に晒され、3月23日には411円まで値を消し本校作成中の時価は700円出入り。「スペースもシェアリング時代」は株式市場自体が認めるところと言える。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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