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SpaceX、日よけ付き衛星を開発 天体観測に及ぼす影響低減のため
SpaceXは同社の衛星コンステレーションが天体観測に及ぼす影響を低減するため、日よけ付きの人工衛星「VisorSat」を開発したそうだ(SpaceXのニュース記事、 SlashGearの記事、 SpaceNewsの記事、 GeekWireの記事)。
SpaceXの衛星コンステレーションは地球低軌道からブロードバンドサービス「Starlink」を提供するためのもので、既に400基以上のStarlink衛星が打ち上げられている。しかし、Starlink衛星は日の出前と日没後に太陽の光を受けて明るく輝くことから、天体観測への影響が指摘されている。
SpaceXでは反射を低減するため、地球に向けられるアンテナ部分を黒く塗装した「DarkSat」衛星を開発して1月に打ち上げている。DarkSatは運用軌道上で従来機よりも55%暗くなり、肉眼では見えない程度になったという。しかし、黒い表面には衛星の温度を上昇させるという問題があり、反射を完全に防ぐこともできないため、VisorSatの開発へ移行したとのこと。VisorSatは電波を透過する素材で作られた日よけを装備しており、運用軌道上で展開する。これにより衛星本体の温度を上昇させることなく、反射を防ぐことが可能になる。VisorSatのプロトタイプは5月に打ち上げ予定で、6月以降に打ち上げるStarlink衛星はすべて日よけを装備する計画とのことだ。
なお、Starlink衛星のフライトは(1)軌道上昇、(2)高度380 kmの待機軌道、(3)高度550 kmの運用軌道、という3つの段階がある。運用軌道では太陽電池パネルが「鮫の背びれ」のように衛星本体の上に立った状態になるが、軌道上昇中は衛星本体の前に太陽電池パネルが並ぶ「開いた本」のような状態になる。これにより軌道上昇中は太陽電池パネル部分の反射も問題になるため、SpaceXでは全体を傾けて太陽光が縁にだけ当たるようにする運用もテストしているとのことだ。
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