「英語落語」で笑いながら英語の学習を!

2020年4月9日 07:17

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 落語を聞いたことはあるだろうか。着物で座ったまま話芸を語る古典芸能である。くだけた会話のわかりやすい内容で、年長者だけでなく若者にも人気だ。そんな落語を英語で話す「英語落語」は、笑いながら英語の勉強ができて楽しめる。手軽にYouTubeで見られる英語落語を探してみた。

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■落語とは

 落語とは、江戸時代から続く庶民の娯楽である。話の内容は江戸時代の長屋暮らしから現代人の日常まで、毎日のささいなできごとがほとんどだ。登場人物ふたりの会話でストーリー展開することが多く、まるで英会話のようである。落語家は扇子と手ぬぐいをたくみに使いながら、大げさな手ぶりや派手な動作で観客を笑わせている。

 この落語を、外国人に向けて英語で話す「英語落語」。これなら英語学習も楽しくできそうだ。どのような落語家が英語落語を行っているのか見てみよう。

■桂三輝(かつらさんしゃいん)

 カナダ出身、吉本興業所属の落語家。2008年入門、師匠は桂三枝。国内では戦後初の外国人落語家であり、落語家として10年以上のキャリアを持つ。アメリカやイギリス、シンガポールなど海外公演も多く開催している。日本語がうまく日本語学習のエピソードや文化の違いをテーマにした落語で観客を笑わせる。

 動画は2~3分と短いため、忙しいときでもサッと見やすい。英語・日本語の字幕があり、初心者にも向いている。発音が明瞭なので聞きやすい。「せっけん」話はマネして友人や同僚に言ってみたくなる。

■桂枝雀(かつらしじゃく)

 桂枝雀はコロンとした丸顔で愛嬌(あいきょう)たっぷりな上方落語の爆笑王。古典落語から自分で翻訳した英語落語により人気となった落語家。一度見たらもっと落語を聞きたくなる魅力を持っている。

 桂枝雀の「White Lion・動物園」は抱腹絶倒なのでぜひとも見てほしい。英語・日本語の字幕があるため初心者でも楽しめる。身ぶり手ぶりや表情に大笑いしながら、しっかりした発音に驚かされる。「愛宕山」(あたごやま)は字幕はなし。「鷺とり」(さぎとり)は英語字幕がある。

■桂かい枝(かつらかいし)

 世界20カ国以上で英語落語公演を行っている。動画は字幕なしだがスピードを落として聞くとわかりやすい。日本語を学んでいる外国人のために「やさしい日本語落語」にも精力的に取り組んでいる。学校教科書に載っている有名落語家。

 ほかにも外国人落語家や英語落語をしている日本人の落語家をYouTubeで簡単に見つけられる。また「英語落語」という短い30秒ほどの小話シリーズも、ユーモアの勉強になりそうだ。

 英語で会話に詰まったときやスムーズに話せないときに、落語のような大げさなジェスチャーをマネすればコミュニケーションの助けになるだろう。ときには英語落語で笑いながら英語学習してみるのはいかがだろうか。(記事:鵜飼圭・記事一覧を見る

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