【どう見るこの相場】待ったなしのXデー?!「最悪シナリオ」の回避で信用保証関連株が再浮上を開始

2020年4月6日 09:09

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■「最悪シナリオ」は資金繰り難、信用不安、限界企業の突然死懸念

 Xデーはいつか?株価が、安倍晋三首相の「非常事態宣言」の発令と小池百合子東京都知事の「ロックダウン(都市封鎖)」の発動を先取りし織り込んできた。マーケットでは、今年3月29日に突っ込んだ3年4カ月ぶりの日経平均株価の一番底1万6358円に対して二番底を探る動きとコメントされているが、Xデー以降に果たして二番底で踏み止まるのか、それとも昨5日に東京都の1日当たりの感染者が143人と急増し、2.5兆円とも5兆円とも試算されている「ロックダウン」の経済的損失の大きさ、足元の株価の下げピッチの速さと日中値幅が激しくブレる不安定性などからにして、さらに「最悪シナリオ」が想定されるのか予断を許さない。

 新型コロナウイルス関連株買いも、当初からの感染予防のマスク株、防護服株、除菌剤株などの防疫関連株もさることながら、感染患者の生死を左右する富士フイルムホールディングス<4901>(東1)の「アビガン」などの治療薬株やワクチン株、人工呼吸器の日本光電<6849>(東1)、人工心肺装置のテルモ<4543>(東1)などのウエートがより高まっている。これもすでに死者数が、1万人を超えたイタリアやスペインのような医療崩壊によるオーバーシュート(爆発的患者急増)の「最悪ケース」への危機感を強め、この回避に向け一縷の望みを託しているようにもみえる。

 また企業業績でも、下方修正が相次いでいるが、下方修正以上に業績予想を未定と変更する企業や決算データの集計遅れにより決算発表を延期する企業が目立っている。下方修正ならその下方修正値をベースに妥当株価のメドも立つが、未定や発表延期ではその手掛かりを外され、今週週明けから始まる2月期決算会社やそれに続く3月期決算会社の決算発表でこの続出となれば、不透明感が強まることになる。足元の需要が突然、蒸発したことに危機感を強めているもので、企業経営そのものはよりリスク回避的となる。このため手元の資金確保を急ぎ事業継続を優先し、JR東日本<9020>(東1)のようにコマーシャルペーパーを発行し、すかいらーくホールディングス<3197>(東1)のようにコミットラインを設定する企業が相次でいる。

 この「最悪シナリオ」は資金繰り難、信用不安、限界企業の突然死懸念である。今回の新型コロナ・ショックは、2008年10月のリーマン・ショックと酷似しているといわれる。リーマン・ショックは、金融システム不安が実体経済を悪化させたが、今回は、実体経済の悪化が金融システムを直撃し、それがさらに実体経済に波及するダブル、トリプルの悪循環が懸念されているためだ。金融システム不安に対しては、安倍首相が、56兆円を上回る経済対策の策定を指示し、中小・小規模事業者向けの現金給付や無利子・無担保融資、債務返済の猶予(モラトリアム)なども含めて緊急対策を進めるようだが、早くもあのバブル崩壊後の貸し渋り、貸しはがしなどの悪夢が頭を離れなくなる。

 こうした「最悪シナリオ」を前に新型コロナウイルス関連株は、急速に深掘り、横展開が進んでいるだけに、万が一に備えて信用保証関連株をマークするのも一考余地がありそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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