【結果致死率18%? (1/2)】 AI「BlueDot」が警告していた新型コロナ感染拡大

2020年3月31日 09:01

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 新型コロナウイルス感染について、正確なデータが必要だ。現在、日本の首都東京は「感染爆発(オーバーシュート)」寸前と言われている。日本はこれまで「クラスター管理」に注力してきた。そして、PCR検査を制限してきた。これは正しかったのであろうか?

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 カナダの健康モニタリングプラットフォーム「BlueDot」が、早くから新型コロナウイルスの感染拡大を警告していた。AI(人工知能)によるネット上の情報モニタリングによって、昨年12月末時点で新型コロナウイルス感染拡大を「BlueDot」が予測できていたことで、AIによる監視システムの有効性が評価されている。「BlueDot」は、常時65カ国の報道や航空会社のデータ、動物疾病の発生報告を分析して報告できるシステムだ。『感染リスクの高い年齢や性別、地域の分析』などもできるらしい。

■“CLOSED CASES” 「結果致死率」では致死率18%

 ジョンズ・ホプキンス大学が集計した“CLOSED CASES”では、新型コロナウイルスは「致死率18%」となっている。“CLOSED CASES”とは、感染して治療して結論の出た人(それによる死者と治癒者の合計)に占める死者の比率、つまり「結果致死率」と言えるものだ。感染が拡大していく現在の場面では治療中の人も多く、結果がまだ出ていない人が多くいるため、正確な致死率は確定していないと見るべきだろう。

■無症状感染者

 新型コロナウイルスは潜伏期間であっても感染力が強いと見られており、症状が出ている時とあまり変わらない感染力を持つと言われている。また、「全くの無症状感染者」と「軽症者」を合わせると、「感染者総数の8割」を占めるとも言われている。感染者総数の中で、実際に他人に感染させている人は2割程度ともみられている。

■クラスター追跡

 日本の対策手段は、「水際対策」で国内感染を防ぐのと、「クラスター(小規模な患者集団)」を発見し囲い込むことであり、それによって感染拡大を抑え込もうと努力してきた。しかし、これは矛盾している。クラスターは、「症状のある感染者」を検査して初めて発見できる。そのため、「感染者を発見しクラスターを見つける前」に、「無症状感染者」並びに風邪程度の「軽症者」は見逃されて2次感染を起こしてしまうのだ。

 クラスター追跡は、「潜伏期」でも感染させる能力がある新型コロナウイルスの対策としては矛盾している。これでは、必ず感染者を増やしていくこととなるだろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

続きは: 【結果致死率18%? (2/2)】SARSとMERSの知見に惑わされ検査を絞ってしまった?

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