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米国で観賞魚用の薬品を新型コロナの予防・治療用に内服、死者も
米国では観賞魚用として販売されているリン酸クロロキンをCOVID-19の予防・治療用として内服する人が増加しているそうだ(FDAの更新情報、 Banner Healthのニュースリリース、 SlashGearの記事)。
マラリアや狼瘡、関節リウマチの治療薬として用いられるクロロキンだが、小規模な研究でCOVID-19患者にヒドロキシクロロキンを投与することでウイルスが減少し、抗生物質との組み合わせで効果が高まったという報告が出ている。ドナルド・トランプ大統領がクロロキンやヒドロキシクロロキンの効果に繰り返し言及していることもあり、注目が集まっている。
米食品医薬品局(FDA)では認可外使用としてクロロキンをCOVID-19の治療に使用できる可能性を検討している段階だ。しかし、医師が自身や家族、友人のためにCOVID-19の予防や治療目的で虚偽の処方をする例が相次いでクロロキンの品不足が起こり、狼瘡患者などが必要な治療薬を入手できなくなる状況に陥っているという。そのため、医薬品のリン酸クロロキンではなく、観賞魚用の薬品として販売されているリン酸クロロキンを内服する人も増加しているようだ。米非営利ヘルスケアシステムのBanner Healthによると、60代の夫妻がリン酸クロロキンを服用後30分ほどで具合が悪くなり、入院が必要な状態になったという。その後、夫は死亡し、妻は集中治療を受けているとのこと。
FDAではCOVID-19予防用として認可した医薬品は存在せず、COVID-19テストキットは医療機関にのみ提供されているとして、オンラインで販売されている詐欺的商品を購入しないよう注意喚起している。特に動物用や研究用と明記されたクロロキンなどについては人体への安全が確認されていないとして、医療機関で処方されたもの以外は服用しないよう求めている。
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