大暴落の今こそわかる企業の真価と優良株の探し方

2020年3月24日 16:16

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 株式市場の暴落はすでにリーマンショックの値幅を超え、安定の見通しが立てづらい状況になってしまっている。もっとも株式市場の安定はコロナウィルスの動静次第といえるだろうが、今は落ちてくるナイフを受け取ろうとするものはいない。

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 一方で、このような未曾有の状況下でこそ、企業の真の価値が分かるという見方もある。単純な金融緩和政策のバラマキによって株価を上げてきた企業は淘汰され、本当の力を持つ企業のみが生き残るというわけだ。

 つまり、本来は売られるべきでない有望株も暴落に巻き込まれているわけで、中長期のスタンスで考えれば個別銘柄株の押し目買いをする恰好のチャンスといえる。PERやPBRなどから推し量る割安株(バリュー株)や、ROEやEPSなどから推し量る成長株(グロース株)などが、そんな株に該当するであろう。

 PER(株価収益率)は、株価を1株当たりの利益で割って算出されるもので、PERが15倍以上なら割高、10倍以下なら割安といわれる。またPBR(株価純資産倍率)は、株価を1株当たりの純資産で割って算出されるもので、PBRが1倍以上なら割高で1倍以下なら割安といわれている。

 ROE(株主資本利益率)は、1株当たりの利益を1株当たりの株主資本で割って算出されるもので、ROEが10%以上は投資対象にされやすい。そしてEPS(1株当たりの純利益)は、当期純利益を発行済み株式数で割って算出されるもので、過去の数値から伸びている企業は収益力が高いとみなすことができる。

 バリュー株やグロース株だけではなく、コロナウィルスの猛威により、今後恩恵を受けるであろう個別銘柄にも注目されたい。具体的には、在宅ワークに必要なテレワークのシステムを取り扱う企業や、ホワイトカラーのデスクワーク(定型作業)を自動化するRPAを販売する企業だ。

 さらに、空気清浄機の製造を行うメーカーや、不特定多数の人間が接触することを避けるような、衛生面に関わる製品を開発する企業も今後注目を集めていく可能性が高い。

 株価暴落の終息はコロナウィルスの動静次第ではあるものの、いずれやってくるその終息の時期に備えておくことで、優良株や成長株などの個別銘柄を押し目買いできる絶好のチャンスを逃さないようにしたい。(記事:小林弘卓・記事一覧を見る

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