海水の温度が海洋生態系の健全性に悪影響 沖縄科技大などの研究

2020年3月21日 07:42

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豪グレートバリアリーフのサンゴ礁に生息するスズメダイ(写真:沖縄科学技術大学院大学の発表資料より)

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 二酸化炭素の排出量増加により、気温の上昇が近年顕著になっている。海水の温度も1990年後半以降上昇を開始している。沖縄科学技術大学院大学(OIST)は19日、海中で発生する熱波の頻度が魚の適応度に与える悪影響を発見したと発表した。

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■海水の温度上昇による豪グレートバリアリーフの破壊

 豪北東部に広がる世界最大のサンゴ礁地帯がグレートバリアリーフだ。2016年に海水の温度が急激に上昇したことで、グレートバリアリーフが壊滅的な被害を受けた。温室効果ガスの排出など人間の活動による気象変動が、海洋中の熱波の頻度や期間、規模を増している。その一方で、魚の数に対し長期的にどのような影響を及ぼすかについては判明していないという。

■個体ごとに異なる海洋熱波の影響

 OIST、豪ジェームズ・クック大学、香港大学の研究者から構成される国際共同研究チームは、グレートバリアリーフに位置するリザード島でサンゴ礁に生息する魚の試料を採取した。採取は、海水が温度上昇した2016年前後で3回にわたり行われたという。

 採取された魚は、昼行性のスズメダイや夜行性のカーディナルフィッシュなど5種類。これらの魚の肝臓から遺伝子が発現するパターンを調査したところ、代謝やストレス、呼吸といった生理学的な反応において変化が確認された。

 気象変動による適応の仕方は遺伝が大きく影響するという。今回、海水の温度の上昇によって、種ごとに熱帯魚の反応が異なることが判明。また海中の熱波に対する生理反応は種に関係なく、強度と期間に依存することが明らかになった。

 今回明らかになったのは、海洋熱波による魚への短期的な影響だ。研究グループは今後、気象変動による魚への影響について調査を続け、海水の温度上昇が繰り返されることで魚に与える影響をさらに研究するとしている。

 研究の詳細は、国際オンライン誌Science Advancesに18日付で掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

関連キーワード遺伝子沖縄科学技術大学院大学

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