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政府専門家委員会発表を踏まえ、新型コロナ長期化による自動車産業の影響
3月9日、政府専門家委員会から、新型コロナウイルス感染が長期化するとの見通しが出たことを受けて、自動車産業に対する影響を3月10日時点で考えてみたい。
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自動車産業は1台当たり数万点に及ぶ部品点数で構成されており、部品調達がスムーズに出来ないことは重大な問題となるのは明白だ。この点について、生産体制の基礎として取り込んでいるメーカーはどこなのか?その対策は効いているのか?今後の情勢変化の中で通用するのか?など、身につまされる問題が迫ってきている。
新型コロナウイルス感染拡大の事態において、「対策」と言っても人々を「隔離」することしか方法がないことは、物理的に明白だ。それに、「特効薬」「ワクチン」がない現状では、「隔離」をどれだけ徹底できるかにかかってくる。
だが「隔離」すれば、まず「経済活動」に直接影響が出る。「隔離」を完全に行えば、2週間で新型コロナウイルスは消滅するのであろうが、「完全な隔離」など出来るわけもない。
したがって、感染拡大が進むことは防ぐことは出来ない。感染拡大のペースや地域などをコントロールすることが精いっぱいの「出来ること」となってしまう。つまり、「医療体制を超えない感染スピード」に抑え、「重症者の手当などに万全を期す」などである。では、ウイルスが「終息」する条件とは何であろうか。
当初、この新型ウイルスも夏になれば「感染力」が弱まると見られていたが、どうやらそうでもないようだ。また、地球規模で広がった現在、各国相互の行き来で再感染が起こる懸念もあり、気温の上昇により終息するとの見方は取れない状況である。
すると、「終息」に向かう条件としては、感染し回復して抗体を持つ人間が増え、ウイルスが感染できなくなるのを待つしかない。つまり、「大多数の人間」が感染するのを待つのである。
さてこの情勢では、自動車産業は社員の感染の広がりをコントロールすることが必要となり、ラインを動かし続けるには生産量を下げるしか道はないようだ。市場では販売台数が伸びないことも同時に起こるので、これは合理的判断と考えられる。つまり損害は避けることが出来ないということだが、問題はそれが「どの程度になるか?」が明確にならないことだ。
それについては、新型コロナウイルスに対する「特効薬」「ワクチン」の開発を待つしか方法はないようだ。自動車メーカーごとの対策の差は、世界規模のパンデミックではどのような状況となるのであろう?現代の産業構造を再認識する上でも重要な局面にきているようだ。今後の自動車産業の「生産拠点、生産技術、品質管理の開発の方向性」を左右する知見を得ることとなろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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