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ビューティフルピープル、2020年秋冬コレクション発表
ビューティフルピープル(beautiful people) 2020年秋冬コレクションが、2020年3月2日(日)フランス・パリで発表された。メンズラインが初めて加わったショー開催となる。
■見えないモノへと目を向けて
会場一体の柱を“断熱材”で包み込む演出が施された今季のビューティフルピープル。本来“建物の外側と室内の間”に配置されるその建築資材は、誰の目にも触れることがないが重要な役割を担うものだ。そしてこの“見えないもの”に着目し、2019年春夏コレクションよりブランドが取り組んでいるのが、「サイド C」という新たな衣服へのアプローチ。通常の洋服には無い“間”を作ることによって、複数のアレンジを楽しめるコレクションが、今季もランウェイの上へと姿を現した。
■“何かが違う”リアルクローズ
ニットウェア、アウター、プリーツスカート、カーゴパンツ…。日常で楽しめる秋冬のリアルクローズに目を向けた今季は、特別な装飾を加えないミニマルな着こなしが目立つ。しかしながら、「サイド C」というアイディアのもと、解体と再構築を繰り返した一連のワードローブは、どこか日常とはかけ離れた“違和感”があるのも事実。一部の生地がねじ曲がっていたり、どこからともなく生地が切り替わっていたり、まるで服を二重にしてきているように見えたり…。
■クラシカルなアイテムに変革を
こうした手法が、オーセンティックなアイテムと掛け合わせることで、本来あるはずのないユニークな表情を生み出しているのが印象的だった。例えばカジュアルなニットウェアに首から掛けられたドレスは、おそらく本来はダブル仕立てのロングジャケットとなるもの。モデルが後ろを振り返ると、まるでエプロンのように背中がぱっくりと空いており、首とボディの間に本来はあるはずのない“間”が存在することに気付かされるのだ。
また美しいカッティングが伺える優雅なケープには、フロントから設けられた段差によって、全く表情の異なるグラフィックが顔を出す。ここから一体どんな姿へと変えるのか…?種明かしのない演出ではあるものの、観客たちあらゆる“可能性”に想像力を膨らまし、ワクワクと心を躍らせるのである。
■ジェンダーレスなカラーパレット
パレットは、落ち着いたブラック、グレー、カーキを基調に、鮮やかなオレンジ、レッド、ブルーといったカラーをアクセントに加えて。今季会場を“飾った”断熱材が着想となる透け感のあるプリントは、メンズ・ウィメンズ共に展開されたダウンジャケットの上へと登場。こちらはプレーンな表情も持つ片面と共に、リバーシブルで楽しむことができる。
■新作バッグも登場
メンズ・ウィメンズ共に手にしていたのは、“種明かし”付きのバッグ。上下両方にクチがあるその不思議なバッグは、トートバッグと巾着タイプを上下にドッキングさせ両方の機能を備えていることを示唆しており、そのカラーもそれぞれ異なる。1つのアイテムから複数の使い方を見出すことができるユニークなアイテムは、私たちに“自由”を与えると同時に、エシカルな方法でファッションを楽しめる大切なキーも握っている。
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