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中国のCO2素排出量、新型コロナの影響で一時的に25%以上減との試算
気候科学および気候・エネルギー政策に特化したWebサイトCarbon Briefの試算によると、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の影響で中国での二酸化炭素排出量が一時的に25%以上減少しているそうだ(Carbon Briefの記事、 Ars Technicaの記事)。
試算は2019年2月の業種別化石燃料消費量データを元に、発電所での1日の石炭消費量やコークス製造・製鉄・鉄製品製造・石油精製といった施設の稼働率を使用したもので、家庭での燃料消費は影響を受けていないと仮定。国内線のフライト数や、人工衛星から測定した(化石燃料の燃焼と結び付けられる)二酸化窒素レベルも使用している。
電力大手6社による1日当たりの石炭消費量は例年春節の10日前あたりから減少をはじめ、10日後あたりから再び増加していく。しかし、今年は(今年の春節は1月25日)24日後にも回復していない。2月3日から16日の2週間の1日平均石炭消費量は過去4年間で最小になったという。同期間、山東省の石油精製施設の稼働率は2015年以来最低、主要な鉄製品製造ラインの生産量は5年間で最少、二酸化窒素レベルは昨年同時期から36%減、国内線フライト数は前月から70%減となる。
その結果、2019年の春節後同時期と比べて二酸化炭素排出量は25%以上、1億トン減少したとのこと。ただし、鉄鋼生産については休暇期間中も稼働を続けていたとのことで、稼働率はむしろ2019年第4四半期よりも高くなっている。
SARS-CoV-2は短期的に二酸化炭素排出量を大きく減らしたものの、2週間の25%減少は年間で1%程度の減少に過ぎない。そのため、過剰生産能力が大きい中国では需要さえあれば簡単に減少分を上回ってしまうとみられる。中国政府ではGDP成長目標を実現するため、国内消費・輸出・インフラ投資を骨子としている。SARS-CoV-2の影響が続いて国内消費と輸出が落ち込むと判断した場合、最も二酸化炭素排出量の多いインフラ投資で景気刺激を行うことになる。
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※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。
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