ネーム、2020年秋冬メンズコレクション発表

2020年2月11日 18:26

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記事提供元:ファッションプレス

 ネーム(Name.)の2020年秋冬メンズコレクションが発表された。

■探し求め続ける美しい時代への郷愁

 今季のテーマは「STILL LOOKING FOR .....」。テーマのキーワードとしたのは、作家ジョージ・オーウェル(George Orwell)のSF小説『1984年』と、アメリカの市民生活の哀歓を描いた画家ノーマン・ロックウェル(Norman Rockwell)の作品だ。

 この2者に共通するのは、現代社会への懐疑や、古き良き時代への郷愁や憧れだ。作家ジョージ・オーウェルの『1984年』は、核戦争後の1950年代のオセアニアを舞台としたSF小説。主人公は、思想や言論、結婚など様々な統制の中に暮らしていた。そんな世界の中で、社会体制へ疑問を持ち始める。

画家ノーマン・ロックウェルが描いたのは、アメリカで生活する人々の日常。しかし、後期の作品には、政治家を風刺したような作品や『四つの自由』というタイトルの作品など、社会性の強い作品も見られた。

■スタンダードアイテムに落とし込む世界観

 それらのイメージをスタンダードなアイテムの中に落とし込んだ今季のコレクション。ラインナップするのは、ダウンやテーラードジャケット、デニムジャケットなどのアイテム。あえてオーバーサイズで、大きなポケットをデザインしたアウターは、窮屈な現実世界に、自由な世界を求めるかのよう。いくつかのルックにある、バケットハットや耳当ての付いたブライトキャップは、まるで社会の統制から逃れるかのように目深にかぶられている。

 オーバーサイズのシルエットに動きを加えるのは、パンツの膝部分やトップスの袖に施された、ベルトやドローコード。小説の中に存在する様々な統制が人々を縛るかのようなディテールとは対照的に、サテンのシャツは光を受けて鮮やかに、そしてたおやかに光沢を放ち、人間の自由な動きに共鳴している。また、デニムシャツにはキーワードとなった小説"1984"の刺繍が施されている。

■古き良き"日常"が覗くポップなプリント

 単色や無地のアイテムには、赤や青の色鮮やかなニットや、ノーマン・ロックウェルの作品が大きくプリントされたパーカーやTシャツを合わせた。落ち着いた色合いのアウターから覗く、どこか懐かしくポップな印象のトップスは、人々が密かに抱く美しい時代への憧れを表現しているかのようだ。

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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