不動産シェアを担う新手企業の登場

2020年1月25日 10:24

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「スペースマーケット・パートナーズ」で提携する38社。(画像: スペースマーケットの発表資料より)

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 スペースマーケット。昨年12月20日、東証マザーズに上場した。事前のIPO株価予測は決して高くなかった(520円~590円)。上場時の公開公募価格は590円。

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 「小さく生まれるのだろうな」と、私も高を括っていた。上場前の2期間が「営業損失・最終赤字」であったことも、そう思わせる要因だった。が、実際の初値は1306円。公募価格の2倍超で生まれた。

 不明を恥じつつ、調べてみた。ビジネスモデルは「(不動産)スペースを、貸したい側と借りたい側をマッチングさせるプラットホーム」の運営。2014年1月に、現社長の重松大輔氏が創業している。

 公開時点の掲載スペース数は、約1万2000件。実績を知りたく大和証券をはじめとする幹事証券会社に、教えを乞うた。例えばIT企業の集積地として存在感が高まっているJR山手線「五反田」駅界隈で、こんな実績が確認できた。

★西口エリア: 昨年の8月に東京建物と業務提携し、12階建てビル(FUNDES五反田)に「TIME SHARING 五反田II」を手掛けている。

★東口エリア: 東口から徒歩6分にある個人オーナーが保有する築古ビルのワンフロア(約38平方メートル)に、シェアオフィス(ドットルーム)が12月に開業している。業務提携先は、賃貸住宅を全国展開する大東建託。オープンから1週間で予約は15件を超えるという順調な立ち上がりだった。

 東京建物との提携は頷けたが、大東建託には「?」を覚えた。ちなみに大東建託では、「人口減少=賃貸住宅需要減への対応策ではない。既に(昨年)6月に“ドットベース虎ノ門”をオープンしており、今回のドットルームそうした流れの一環。多様化する暮らしに応える空間づくりや、賃貸住宅の在り方についての検証のため」としている。

 だが要は、不動産市場の在り様の流れと捉えるべきであろう。スペースマーケットが視野に入れている空きスペースの用途は、イベントスペース・会議室・撮影スタジオ等々多様。それを1時間単位から貸し借りする枠組み。ビジネスの成否は、時間の経緯を待たなくては断じきれない。

 スペースマーケットが「想定される」難題にも体制を整備し打って出たことも事実。

 具体的には「自由な内装の設営に、難色を示す」オーナーも少なくないはず。そこを口説くのがスペースマーケットに問われる力量と言ってしまえばそれまでだが、同社は38社の提携企業とタッグを組んでいる。

 このスペースならこんな使用法が適当と考える「企画」会社や適宜な施工会社、運用の代行会社やさらには掃除等のメンテナンス会社etcといった具合。オーナーには「ご安心を」と、言える枠組みが整えられているというわけである。

 不動産シェアのニーズは確かに高い。その意味で、見守りたい企業がまた1社登場したと言える。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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