レゴブロックを積み重ねた構造、超低温下で非常に高い断熱性を示す

2019年12月28日 18:01

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記事提供元:スラド

英ランカスター大学の実験によると、レゴブロックを積み重ねた構造がサブケルビンの超低温下で非常に高い断熱性を示すことがわかったそうだ(論文ランカスター大学のニュース記事SlashGearの記事動画)。

ランカスター大学には1.6ミリケルビンまで冷却可能という、世界で最も高性能な希釈冷凍装置がある。実験では4つのレゴブロック2×4(型番3001)を積み重ねて上面と底面に銅板(各5cm2)を配し、上面の銅板には3Ωのマンガニン抵抗器を使用したヒーターと二酸化ルテニウムの抵抗温度計を設置。底面の銅板はおよそ4.5ミリケルビンに冷却した希釈冷凍装置の混合機と熱結合させている。この状態で上面を1ケルビンまで加熱したところ、底面に顕著な温度変化はみられなかったとのこと。断熱性能としては超低温下での断熱材として広く使われているコーニングのMACOR(ガラスセラミック)やデュポンのVespel(ポリイミド樹脂)のバルク材を上回るといい、価格は格段に安い。

レゴブロックの素材であるABS樹脂の断熱性が特に高いということはない。研究グループは中空の構造に加え、結合部分の接触面積が小さいことで熱抵抗が高くなったと考え、同様の構造を3Dプリンターで作成して実験を行っているという。3Dプリンターの使用は複雑な構造を生成するのに便利というだけでなく、実験費用の大幅な低減にもつながるそうだ。現在、100cm2のVespelシート1枚分を購入する予算があれば、ABS樹脂で複雑な構造を出力可能な3Dプリンターのセットが購入できるとのことだ。 

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