CCTV(中国中央電視台)放送を活用した、圧倒的に伸びる中国語学習方法

2019年12月21日 16:17

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CCTVのPC版画面。

CCTVのPC版画面。[写真拡大]

  • CCTVのモバイル版画面。
  • 番組の保存画面。

 せっかく中国語を習得したのに、日常生活で使う場面が少ないからどんどん忘れてしまうという人、あるいはHSK6級を取得したけど「じゃあもうペラペラだね?」と聞かれて「はい」と答えるほどの自信は持てないという人、意外と多いのでは?

 こうした中国語中上級レベルの人にオススメなのが、CCTV放送を活用した中国語学習方法だ。パソコンかモバイルにソフトをダウンロードすれば、簡単にCCTV放送を視聴することが可能である。

 CCTVは日本のNHKに等しく、アナウンサーが最も正確で美しい標準語を話す。放送内容もニュース、ドキュメンタリー、経済、ドラマ、映画、スポーツと多岐に亘るため、自分が興味関心を持つジャンルの番組を選べば継続して学習することが苦にならない。

 そして、CCTV放送をネットで視聴する最大のメリットは、多くの番組で中国語の字幕が付いていることだ。日本のテレビ番組で放送される中国のドラマなどは、全て日本語の字幕に書き換えられているため、ついついこれに頼ってしまい語学の向上には不向きだ。中国語の字幕であれば、新しい単語や表現法の学習にそのまま使える。

 当然だが、ただ見て聞くだけでは語学力の向上は難しい。そこで、「シャドウイング(Shadowing)」、「サマライゼーション(Summarization)」といった通訳・翻訳のプロを目指す学習者のメソッドを取り入れ、お金も手間もかけずに効率よく中国語レベルアップを図っていこう。

 まずは下記のURLにアクセスしてCCTVのソフトをパソコンまたはモバイルにダウンロードする。中国でも一般的に使われているソフトだが、情報セキュリティなど自己責任になるので慎重に利用して欲しい。また、ネットの問題等でアクセスできないときもあるため、利用する番組は事前に保存しておこう。

 https://app.cctv.com/appkhdxz/pc/index.shtml
 (パソコン用ソフト、左下の「PC版下载」をクリックしてダウンロード)

 http://app.cctv.com/appkhdxz/ydb/index.shtml
 (モバイル用ソフト、PCと同じ要領でダウンロード)

 PCでもモバイルでも基本的操作方法は変わらない。

 下はPC版の画面で、左側がチャンネル、画面の上部が番組のジャンルの表示になる。

 モバイル版では番組のジャンルは上部にチャンネルは下部中央の「CCTV」と書かれたボタンから選択できる。

 番組保存方法はPC、モバイルともに番組放映の画面でダウンロードのボタンをクリックする。

 中国語の場合、読む力は向上もキープも比較的易しいが、聞く、話す、書く力を伸ばすためにはそこに特化した学習方法を工夫する必要がある。

 上述したシャドウイングという方法が「聞く」、「話す力」の向上に役立つ。シャドウイング学習方法とは、話し手の言葉のすぐあとを、話し手と同じ言語で影のように追う訓練だ。ネイティブスピーカーの話し方を真似ることで、正確な発音、単語の用法、文法が身につき、表現力や語彙力、ヒアリングを鍛える効果も期待できる。

 シャドウイングに最適な番組はCCTV12チャンネルの「法律講堂」またはCCTV2チャンネルの「中国経済大講堂」だ。講師がスピーチをするスタイルで進行する番組のため、スピーキングの向上にはもってこいというわけだ。

 最初は1分間、字幕を見ながら話し手の言葉を追う。スピードに慣れてきたら2分、3分と少しずつシャドウイングの時間を延ばし、力がついてきたらニュースなど字幕の無い番組にも挑戦してみよう。

 そして最も重要なのは、毎日短時間でもいいから継続して行うことだ。疲れた日は5分でも良いので、習慣化して毎日必ず行おう。番組は字幕付きであれば自分の好きなジャンルのものを選んでも構わない。

 会話能力の向上にはドラマ、中でも現代ドラマであれば流行語や新しい言葉もリアルタイムで学べる。ドラマは8チャンネルで放送されている。また「影視」をクリックしてドラマ一覧から選択することも可能だ。

 ほかにも、地理や社会状況に興味があれば4チャンネルの「走遍中国」、歴史や文化が好きならば10チャンネルの「探索・発現」といった番組もオススメだ。

 もう一つの学習方法「サマライゼーション(Summarization)」を応用すれば聞く、話す、書く力を同時に鍛えることができる。サマライゼーションとは音声の内容を要約する訓練だ。最初は5分くらいを目安に区切りの良い場面で一旦画面を止めて、内容を20~30文字程度の中国語に要約し、これをノートに書き出す。

 4週間ほど続けヒアリング力が向上したころを見計らって、5分を10分に、最終的には15分または25分程度の番組を一気に見終わってから、100文字~200文字くらいに要約し書き出す。

 大事なのは、まとめた文章を声に出して読み返し、違和感を覚える箇所の単語や文法を修正して、再度読み返してみることだ。

 「サマライゼーション(Summarization)」でも最初は字幕付きの番組を選ぼう。オススメは1チャンネルの「今日说法」だ。慣れてきたら字幕の無いニュース・報道番組にもトライしてみよう。13チャンネルの「焦点访谈」、「深度国际」2チャンネルの「経済半小時」は15分~30分の番組なので、サマライゼーションを行うには適した番組だ。

 ニュース番組や報道番組を要約すると、語学力向上だけではなく、中国が直面している社会問題を知ることができる。また、中国からの国際問題の捉え方も見えてくるので興味深い。

 上記の学習方法を継続すれば4週間ほどで、まず耳がネイティブのスピードに慣れてくる。耳が慣れればより自然な中国語が話せるようになる。また練習を重ねれば書くことも以前ほど難しく感じなくなるはずだ。こうして3カ月ほどでサマライゼーションがよりスピーディーに難なくこなせるようになる。そしてこの学習方法の効果を実感し、手応えを覚えれば更に集中して効果的に学習するようになる。

 継続は力なり、特に語学学習は習慣化して毎日コツコツ続けることが必須である。本場の音声を活用した上記の学習方法で無理なく無駄なく効率的にレベルアップを図ろう。繰り返しになるが、少しずつ徐々に、毎日コツコツ続けることが何よりも大事だ。(記事:薄井由・記事一覧を見る

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