海の酸素減少でマグロやサメが減少、海がクラゲやイカに支配される時代も

2019年12月13日 18:55

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記事提供元:スラド

 Anonymous Coward曰く、

 国際自然保護連合(IUSN)は国連気候会議で、1960年から2010年の間に海洋に溶け込んでいる酸素の量が、水温の上昇に伴い2%減少したとの報告書を発表した。気候変動による温室効果の影響で熱が海に吸収され、そこに溶け込む酸素の量を低下させている(GuardianEngadget日本版Slashdot)。

 このまま気候変動に十分な対策をせずに現状維持を活動を続けた場合、2100年までには酸素量がさらに3~4%減少すると予測している。酸素が実質的に存在しない「デッドゾーン」と呼ばれる領域は、1700年代に研究が行われた45か所から現在は700にも増加し、過去半世紀の間で4倍に広がっているとされる。

 その結果、多くの生態系が崩壊の危険にさらされている。とくにサメ​​、マグロ、カジキなどの大型魚種は危険な状態にあるという。すべての魚は水中に溶けた溶存酸素を必要とするが、とくに大型種は生存するため、より多くの酸素を必要としている。その一方でクラゲ、一部のイカ、海洋微生物などの低酸素環境を許容可能な種は繁栄し、生態系のバランスを崩すという懸念が高まっているとしている。

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