GSユアサ、電池事業の高付加価値化とグローバル展開で最高収益更新へ挑む

2019年12月9日 07:21

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産業用リチウムイオン電池モジュール「LIM50ELシリーズ」(GSユアサの発表資料より)

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 GSユアサは2日、産業用リチウムイオン電池モジュール「LIM50ELシリーズ」の販売を開始したと発表した。

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 この新シリーズは、従来の「LIM50ENシリーズ」の互換品でありながら、材料を最適化することで寿命特性が大幅に向上している。機能的にも従来品の特長を受け継ぎ、頻繁に充放電が行われる用途や、比較的温度が高い環境でも長期間使用することを可能としている。

 GSユアサは、1859年に島津源蔵によって創業され、鉛蓄電池製造からリチウムイオン電池の製造・販売まで行ったGS(日本電池)と、1913年に湯浅七左衛門が創業し、蓄電池製造から自動車用電池、乾電池を製造・販売したYUASA(ユアサコーポレーション)が2004年合併し、持株会社として設立された。

 2019年3月期の売上高は4,131億円。事業別の構成比は、自動車用バッテリー、充電器などの国内自動車電池が22.2%、海外自動車電池が45.3%、産業用の蓄電池、アルカリ電池、リチウムイオン電池などの産業用電池電源が16.9%、電気自動車、ハイブリッド車などの車載用リチウムイオン電池が11.0%、潜水艦、衛星用のリチウムイオン電池などその他が4.6%と、さまざまな電池事業を展開するGSユアサの動きを見ていこう。

■前期(2019年3月期)実績と今期見通し

 前期売上高は過去最高を更新する4,131億円(前年比0.5%増)、営業利益は227億円(同3.3%増、のれん等償却前営業利益は同4.1%増の251億円)であった。

 営業利益(のれん等償却前)は、鉛価格上昇の売価転嫁の浸透により国内自動車電池が17億円、海外自動車電池が16億円の増益だった。一方、電源装置の販売減で産業用電池電源が1億円、原材料価格の上昇と研究開発費の増加で車載用リチウムイオン電池が10億円、研究開発費の増加でその他が12億円、それぞれ減益となった。

 今上半期(4-9月)売上高は1,904億円(同2.6%減)、営業利益(のれん等償却前、以下同)は87億円(同6.1%増)の中、今期売上高は過去最高の4,150億円(同0.5%増)、一方、鉛価格の上昇と人件費の増加により営業利益が220億円(同22.4%減)と減益を見込んでいる。

■中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)による推進戦略

 2022年3月期は売上高4,600億円(対前期比11.4%増)、営業利益は280億円(同11.6%増)と最高収益更新を目指して、次の戦略を推進する。

 1.人、社会、地球環境に配慮した商品開発とモノづくり体制の構築など企業の社会的責任への貢献。

 2.事業別の戦略: 2022年3月期売上高、営業利益目標

 ・国内自動車電池は、利益を重視した選択と集中、高付加価値化の推進: 売上高850億円、営業利益70億円。

 ・海外自動車電池は、国内で培った技術を活用してグローバル市場でのシェア拡大と最適生産体制の構築: 売上高2,000億円、営業利益130億円。

 ・産業用電池電源は、IOTを活用した高付加価値製品、サービスの拡大による収益力向上: 売上高1,000億円、営業利益80億円。

 ・車載用リチウムイオン電池は、パートナーとの連携を強化し、電気自動車、ハイブリッド車向けの開発と推進: 売上高550億円、営業利益10億円。

 ・その他は、最高水準の性能と品質の電池で新しい社会インフラ構築に貢献: 売上高200億円、営業利益△10億円。

 新たな価値を創造し続けるエネルギー・デバイス・カンパニーを目指すGSユアサの動きに、注目したい。(記事:市浩只義・記事一覧を見る

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