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ソフトバンクGが直面する試練! (1) ウィーワーク支援以外に方法はあったか?
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ソフトバンクグループ(SBG)が大きな試練に直面している。半年前の4月には6045円の年初来高値に到達したにもかかわらず、10月下旬には4000円すれすれの低空飛行に変わった。
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その急速な下降振りは、同社の国内通信子会社であるソフトバンクの新規株式公開(IPO)によって得られた資金で、6000億円規模の自社株買いを行うと発表した2月の株価をも下回ったことで明白だ。
試練の前兆は、5月に行われたライドシェア最大手の米ウーバーテクノロジーズ(ウーバー)の上場が、事前の目論見を下回る株価に終わったことだ。それでもSBGはウーバーの経営が混乱した18年1月に、混乱前の3割引きで株式を引き受けていたために、約56億ドルに及ぶ含み益を手にすることは出来た。流石に投資巧者だと評価する向きもあった。
そのまま終わらないところが現実だ。SBGが手中に収めたウーバーの株式には「ロックアップ条項」が付されており、最低でも約6カ月間は保有を続けなければならない。先行きにどんな波乱が予想されても、11月までは売却することが出来なかった。
どんなに大きな儲けでも「含み益」である限り、目の前に現金を積み上げることは出来ない。売却して、購入費用を差し引いた残りが現実の儲けになる。
ウーバーの株式は6カ月の経過を待たずに、10月下旬には32ドル台に低迷している。分かり易く表現すると25%のダンピング状態だから、滅多に機会のないIPOのチャンスは棒に振ったようなものだ。
追い打ちをかけたのが、米シェアオフィス大手のウィーワーク(ウィー)を巡る混乱だ。SBGは傘下のビジョン・ファンドからの20億ドルを含め、合計91億5000万ドルをウィーに出資している。目前に予定されていたIPOが実施されていれば、巨額の「含み益」を手にするはずだった。
ところが、ウィーの創業者であるアダム・ニューマン氏を巡るトラブルなどにより、9月にIPOの申請を取り下げる事態に追い込まれた。大きな利益を生み出すはずの虎の子が、一転して経営危機すら取り沙汰される問題児となった。29%を出資していると見られるSBGが、どう対応するのかと注目が集まったのも当然だ。
SBGは(1)撤退する(2)静観する(3)支援して危機を乗り切る、の中から(3)の支援する道を選択した。現実として、未公開企業であるウィーからの撤退は、株式を肩代わる奇特な投資家が出現しない限りあり得ないし、SBGが静観してウィーの企業価値が日々毀損することを市場が看過することも考えられない。SBGにとって、選択肢は事実上存在していなかったということになる。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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