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トヨタ・新型カローラ、ダンロップ環境タイヤ「エナセーブ EC300+」を装着
「エナセーブ EC300+」(画像: 住友ゴム工業の発表資料より)[写真拡大]
トヨタ・新型カローラとカローラツーリングに、ダンロップ(住友ゴム工業)の「エナセーブ EC300+」が装備される。このタイヤは環境性能に優れており、低燃費と操縦安定性を両立する。タイヤサイズは「195/65R15 91H」と「205/55R16 91V」で、現代のファミリーカーとしては標準的なサイズだ。
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タイヤの生産方式については、2000年ごろからトヨタがタイヤメーカーと共に取り組み、小ロット生産、混流生産に対応することが出来るようになっている。ブリジストンは、自前で「バード(BIRD:Bridgestone Innovative Rational Development)」とする生産システムを開発し、自動車メーカーに対するジャストインタイムを実現した。横浜ゴムと東洋ゴム工業は、トヨタと共同開発して、混流生産に対応できる体制を作っている。
目に付く特徴的な点は、従来のロット生産の場合は生産ラインの全長が100mにも及ぶのに比べ、小ロット生産方式になると作業面積がおよそ30×15mほどになり、圧倒的に小さく済むことだ。
そのため工場面積は、在庫面積の減少も含めて1/10になるなどといったことが起き、生産方式の変更後には工場がガラガラになってしまうこともみられる。しかし、それが資金量の圧倒的減少となって資金効率の大幅なアップをもたらし、企業の決算に貢献してくるのだ。コストダウンも伴って、会社経営にはなくてはならない技術となっている。
この点が、金融知識で育ってきた国際経営者には理解できていないところだ。製造業では、ビジネスモデルの最重要課題として、この「生産方式の開発」がなければならない。
現代は、こうしたタイヤメーカーまで含めたサプライチェーンを作り上げ、商品企画から始まる設計技術などサービスシステム、販売システム、資材調達システムまで含めたトータルな視野が必要となっている。この大変革期であっても、ネット販売に対応できる混流生産、スウィング生産、順序生産を開発し、資金量を局限してジャストインタイムを実現できたメーカーが生き残る。
この生産方式は、タイヤ製造の工程をロット生産から混流生産に変えて、コスト削減に成功している。ロット生産であると、ある数量をまとめて生産工程を踏んでいくので、自動車メーカーの小ロット生産、混流生産について行くためには、先行して各種のタイヤを作って在庫しておかねばならなかった。その在庫量がどのくらいであるのかは分からないが、生産量に対して膨大な数を必要としていた。サイズもまちまちで種類が多いだけに、膨大な作り置きをしなければならないはずだ。
タイヤは、在庫するにも、必要な種類・サイズのタイヤを出荷するにも、膨大な面積の倉庫と運搬手段を設備しなければならない。また、在庫管理する人員も必要となり、タイヤの在庫と管理で膨大な資金量が眠ってしまう。そのロット生産を、サイズが違っても、銘柄が違っても、車両1台分だけ生産する方式にすると、在庫金額は膨大な削減となる。
こうしてコスト削減と多種の機種を生産する自動車メーカーの要望に応え、結果としてユーザーの好みに合わせたタイヤを提供できることとなっている。製造業において「作り方」が勝負を分けるのは、この資金量によるところなのだ。日産、ホンダには、是非ともトヨタのかんばん方式を基礎としてもらいたい。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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