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NEDOなど、地熱発電と温泉の共生目指すモニタリングシステムの実証実験を実施
実証実験のシステムのイメージ。(画像:新エネルギー・産業技術総合開発機構発表資料より)[写真拡大]
日本は地熱資源の豊富な国である。それでも地熱発電の開発が進んでいない最大の理由は温泉事業と競合するからなのだが、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)などは、地熱発電と温泉事業の共生を目指すための温泉モニタリングシステムを開発中であり、今回、2019年10月中旬から大分県別府にてその実証実験を行うことになった。
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研究に参加しているのは、NEDO、産業技術総合研究所、ならびに横河電機、地熱エンジニアリング、西日本技術開発の各社。
現在、日本国内における地熱発電の総量は500メガワットほどである。総発電量の約0.2%だ。だが地熱資源の豊富さでいえば米国、インドネシアに次ぐといわれており、埋蔵資源総量は諸説あるのだが、仮に全量が発電に回れば原発数基分には達すると目されている。
日本で地熱発電があまり開発されてこなかった理由は主に2つある。資源地が自然保護区になっている場合が多いことと、温泉地として既に開発されている場合が多いことだ。前者についてはここでは置いておくが、温泉地の事業者の地熱発電進出に対する警戒感は根強い。
何故かというと、温泉地に地熱発電所を作ると温泉湧出量が減少したり、泉質が変動したりする可能性があるからである。
今回の実証実験の目的は、まず、実際のところ地熱発電の導入によってどのような影響があるのか、正確なデータを記録し、それらの因果関係を科学的に議論することのできる体制を作るということにある。
システムは、温泉にモニタリング装置を設置し、温泉水の流量や温度などの変動データを取得し、クラウド上のAIによって分析して地熱資源の連続監視・適正管理・有効利用を可能にするというものだ。
実証実験は、2020年度末まで実施され、当該技術の効果を検証し、温泉地に大規模に導入可能なシステムの実現を目指すものである。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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