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浅間山が噴火! 火山が噴火するメカニズムとは?
水蒸気噴火のイメージ。[写真拡大]
2019年8月7日22時08分頃に浅間山で小規模な噴火があり、気象庁は噴火警戒レベルをレベル3(入山規制)に引き上げた。その後、19日に気象庁は噴火警戒レベルをレベル2(火口周辺規制)に引き下げたが、まだまだ予断を許さない状況だ。
【こちらも】湖底の泥と灰から噴火記録を分析 福島大・新潟大の研究
そこで今回は噴火のメカニズムについて迫ってみたい。
■噴火の3つのタイプ
噴火には大別して3つのタイプがある。
まず、水蒸気噴火だ。
火山の地下にはマグマが溜まっている。これをマグマ溜まりという。このマグマ溜まりのマグマによって岩盤を通して地下水が熱せられると、水蒸気が発生し、地殻内の圧力が高まる。そして一定の限界を超えると、地殻が破裂する。これが水蒸気噴火だ。
噴火の規模としては小規模で、気象庁によれば、今回の浅間山の噴火はこの水蒸気噴火の可能性が高いという。
次はマグマ水蒸気噴火だ。
マグマが地下水に直接触れる場合がある。この場合には急激に水蒸気が発生し地殻内の圧力が高まって地殻が破裂する。これがマグマ水蒸気噴火だ。
噴火の規模としては水蒸気噴火よりも大規模になる。2015年に起こった鹿児島県口永良部島の噴火がこれにあたる。
最後はマグマ噴火だ。
マントル内部から新しくマグマが供給される等により、マグマ溜まりのマグマが上昇し始める場合がある。すると、周りの岩盤から受ける圧力が減少して、マグマが発泡し、急激に膨張する。こうして、ときに爆発を伴いながらマグマが噴き出すのがマグマ噴火だ。
炭酸飲料を勢いよく振ってから、フタを開けると、内容物が勢いよく噴き出す。原理的にはこれと同じだ。
噴火の規模としては3つの噴火タイプのなかでも最大規模で、1707年に起こった富士山の大噴火(宝永の大噴火)はこれにあたる。
■マントル溜まり
では、このように噴火に深く関係しているマグマ溜まり自体はどのようにしてできるのだろうか?
マグマはマントルが溶けたものだが、陸側のプレートの下に海側のプレートが沈み込む場所で発生しやすいと考えられている。
まず、海側のプレートは海の底にある。そのため陸側のプレートの下に沈み込んでいくときに同時に水分を運んでいく。ところがマントルは、水分の含有量が増えると融点が下がり溶けやすくなる。つまり海側のプレートの表面に接するマントルは溶けやすくなる。
また、沈み込んでいく冷たい海側のプレートに掻き混ぜられて、マントル内部から高温のマントルが沸き上がってくる。
こうして、海側のプレートが陸側のプレートの下に沈み込む場所ではマグマができやすい。そして、できたマグマは比重が軽いために上昇していき、ちょうど比重が釣り合う場所に溜まる。これがマグマ溜まりだ。
日本の周辺では2枚の陸側のプレート(ユーラシアプレート・北米プレート)の下に、2枚の海側のプレート(フィリピン海プレート・太平洋プレート)が沈み込んでいる。そのため日本は世界有数の火山大国となっているのだ。(記事:飯銅重幸・記事一覧を見る)
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