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Bluetooth BR/EDR接続の端末に短い暗号鍵を使わせることができる脆弱性
オーディオストリーミング等に用いられるBluetooth BR/EDR接続で暗号鍵の長さをネゴシエーション(Key Negotiation Of Bluetooth: KNOB)する際、通信範囲内にいる攻撃者が鍵長を短くできる脆弱性CVE-2019-9506が公表された(Bluetooth SIGのセキュリティ情報、 CERT: VU#918987、 The Vergeの記事、 Softpediaの記事)。
鍵長は接続する2台のデバイス間でネゴシエーションして決められるが、Bluetooth BR/EDR Core v5.1までの仕様では最短の鍵長が定められていないため、攻撃者がメッセージをインターセプトして偽のメッセージを送ることで、最短1オクテットの暗号鍵を使わせることが可能になる。
この脆弱性を悪用する攻撃はKNOB Attackと名付けられており、短い暗号鍵を総当たりで解析することで、暗号化された通信内容の読み取りや任意の暗号文の挿入が可能になる。脆弱性を発見した研究チームではBroadcom・Qualcomm・Apple・Intel・Chicony製のBluetoothチップ17モデルを搭載する24種類のデバイスでKNOB Attackが可能なことを確認したという。脆弱性の存在は2018年後半にCERTやBluetooth SIGに報告されており、以降の更新が行われていないデバイスは未修正とみられる。
これを受けてBluetooth SIGではBluetooth Core Specificationを更新し、BR/EDR接続時の鍵長を最短7オクテットにすることを推奨している。Appleは7月公開のiOS 12.4やmacOS Mojave 10.14.6などで脆弱性を修正しており、MicrosoftもサポートされるバージョンのWindowsを8月の月例更新で修正している。なお、接続する2台のデバイスの一方で脆弱性が修正されていれば攻撃は成功しないとのことだ。
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※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。
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