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ライト工業、7期連続増配の背景
2-3期の連続増配なら「突如吹いたフォローの風」で実現することもありうる。だが5期を超える連続増配となると、収益構造が確立した企業にして初めてなしうる事由といえる。ましてや総じて借入金の多い不動産関連業界では、内部留保の積み増しが優先されることから連続増配という事態は考えづらい。
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が、ライト工業の様な企業が存在することも事実。2014年3月期の2円増配10円配に始まり今期計画の2円増配40円配まで含めると、7期連続の増配となる。
そうした背景をどう捉えるべきか。周知のとおり同社は特殊技術を有する、地盤改良工事を主体とする土木建設企業。技術の詳細についてはHPで確認して頂くとして、代表的なものとして「薬液注入技術」「法面(のりめん)創造技術」がある。
前者はモルタル急結剤で始まったセメント等々を短時間に固める混和剤技術。後者は切土・盛り土で人工斜面を作り出す技術。そうした技術を活かし地盤改良工事で斯界のトップを走っている。
またここにきて、建築事業でも頭角を現し始めている。「東日本大震災の復興需要の一巡感」(アナリスト)はあるが、集合住宅/ビル・研究施設/ホテル/医療福祉施設/複合ビルの新設・リノベーションで着実に実績を積み重ねている。
収益動向は一口で言うと、地味。前3月期の「2.2%増収、8.4%営業増益、0.5%最終減益」に対し今期計画は、繰越工事高619億円近くを有しながら「0.2%の増収(1030億円)、1.0%の営業増益(98億円)、4.4%の最終増益(68億円)」と慎重な立ち上がり。
が、斯界のアナリストの間からは「業態柄、下期型収益構造だが中間期計画:460憶円、38億円、27億5000万円をクリアしてくれば上振れの着地も期待できる」とする見方も聞かる。
地味という点では、中期経営計画などにも顕著。至前期の3カ年中計では掲げた目標値を全てクリアしている。そして今期を初年度とする至22年3月期の新中計でも「売上高1100億円(前期比7%強増)、営業利益105億円(同8%余増)」という着実増計画。かつ「配当性向30%以上」としている。言い換えれば「連続増配続行」計画といえる。
さらに注目したいのは中計で「グローバル市場への対応強化」を謳っている点だ。ライト工業では「中期的に海外売上高比率を、前期の3%から10%に拡げたい」としている。背景には「橋頭保だった災害復旧工事増で米国事業が今期、黒字化する見通し」(アナリスト)がある。今後は照準をアジア市場にあてる。既に前期、ベトナムの同業者に出資を行っている。
ちなみに同社株を17年3月期の初値(1042円)で買い、本稿作成中の時価まで保有していると株価の値上がりだけで原資は40%近く増えている。連続増配企業への着目は、株式投資で資産を形成する上で有意義な手法であることを改めて痛感した。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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