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米国の犯罪予知システム、使用取りやめる警察署相次ぐ 効果がないとして
現在、世界各地で機械学習を用いて犯罪を予測するシステムの開発・導入が進められているが、米国では60の警察署が導入しているという犯罪予知システム「PredPol」の効果がないとして使用を取りやめる警察署が相次いでいるそうだ(Los Angeles Timesの記事、The Next Webの記事)。
PredPolはロサンゼルス市警(LAPD)の協力によりUCLAが開発したもので、過去の犯罪データに基づいて12時間以内に犯罪が起きる可能性の高い地域と時間帯をコンピューターが予測する。この情報に従ってパトロールを行うことで、犯罪を抑制する効果が期待される。スラドでは2011年、サンタクルーズ市警が導入した際に話題になった。
しかし、3年にわたってPredPolを運用したというパロアルト市警では犯罪を解決する助けにはならず、価値を見出せなかったと述べている。2013年~2018年に6万ドル以上をPredPolに費やしたマウンテンビュー市警では、結果がまちまちだったため2018年6月で使用をとりやめたとのこと。3月に発表されたLAPDの内部監査結果では、PredPolが犯罪減少に役立ったかどうか判断できるだけのデータがないと結論付けている。
一方、PredPol社のBrian MacDonald氏は、同社のソフトウェアが犯罪を減らしたり防いだりするためのソリューションではないとし、そのような効果があると結論付けられたら逆に驚き、疑うだろうと述べているそうだ。それでも警察署の中には、犯罪を防ぐことのできる可能性に期待して、使用を続けているところもあるとのことだ。
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