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Alexaから見る音声認識のプライバシー問題
日本国内のスマートスピーカー市場では、Googleの「Google Home」とAmazonの「Amazon Echo」が拮抗している。(画像: 電通の発表資料より)[写真拡大]
スマートスピーカー元年から早くも2年半が経過。電通デジタルの調査によると、日本でのスマートスピーカー普及率は6%に留まっている。シェア1位はGoogleの「Google Home」、2位はAmazonの「Amazon Echo」、3位はLINEの「LINE Clover」。その中でも特に注目したいのが、世界のスマートスピーカー市場を牽引するAmazonだ。
【こちらも】Amazon.com、スマートスピーカーから収集した音声データなどの保存は無期限
2019年5月、子供向けのスマートスピーカー「Echo Dot Kids」が、使用者の音声データを無期限に収集・記録していた事実が明らかになった。この件は、アメリカで現在大きな問題となっている。使用者側が音声データを削除しても、トランスクリプト(※データの原本のようなもの)はAmazonのサーバーから削除されず、半永久的に残ってしまうのだ。
2018年12月にも同様の問題が起こっている。ドイツ人の男性が、Amazonでの購入履歴や検索履歴などの個人情報を要求。その際、自身のデータだけでなく、音声データも大量に含まれていたという。男性はAmazon Echoを所持していなかったため、見知らぬ誰かの音声データであることは明白だった。
音声データはリビングや寝室、シャワールームなど、完全にプライベートな空間で録音されていた。中には、無断で録音されているものとされる会話も含まれていたそうだ。この件により、Amazonのずさんな管理が浮き彫りとなった。
音声認識の精度を高めたり、よりユーザーのライフスタイルに役立つ使い方を学習したりするためには、確かにエンドユーザーの音声データが欠かせない。ただしどこまでプライバシーに配慮するのかは、現状各社の判断に委ねられている。
Alexaの場合、録音したデータは、NDA契約を結んだAmazonの従業員が聞くこともあることを発表している。従業員が得た情報は口外しないことになっているとされているが、人の口には必ずしも戸は立てられないのが現実。
気になる人は、Alexaプライバシーのページから「機能向上のためのAlexaデータ管理」をオフにしておこう。Alexaに限らず、音声認識アシスタンにどの会話がどの期間記録されるのかは、ユーザーにはわからない。第三者に意図しない会話を聞かれる可能性があることを念頭に置いて使う必要がある。(記事:森野沙織・記事一覧を見る)
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