関連記事
米最高裁、不道徳やスキャンダラスな表現の商標登録禁止は憲法違反と判断
米連邦最高裁判所は24日、不道徳な表現やスキャンダラスな表現の商標登録を禁じた米商標法(ランハム法)第2条(a)の規定が表現の自由を定めた合衆国憲法修正第1条に違反するとの判断を示した(裁判所文書: PDF、原告側のプレスリリース、Ars Technicaの記事、The Registerの記事)。
この裁判は米特許商標庁(USPTO)が商標「FUCT」の登録を拒否したことを不服として、ファッションブランド「FUCT」を展開するErik Brunetti氏が知財担当商務省次官兼USPTO長官のAndrei Iancu氏を訴えていたもの。Brunetti氏によればFUCTは「Friends U Can't Trust」の頭字語で、「F-U-C-T」のようにアルファベットを1文字ずつ発音するとのことだが、USPTOの審査官は単語として読んだ場合の発音が「Fucked」と同様だと判断したという。そのため、ランハム法第2条(a)で禁じている不道徳・スキャンダラスな表現にあたるとして商標登録は拒否される。Brunetti氏によるUSPTOの商標審判部(TTAB)への申立ては認められなかった(PDF)が、控訴裁判所ではBrunetti氏の主張を認めたため、被告側が上告していた。
連邦最高裁では2017年、侮蔑的表現を含む商標の登録拒否が表現の自由を侵害するとの判断を示している。この際、法廷の意見は二分されたが、視点を基準に商標登録を禁止するのは違憲であることと、侮蔑的な表現を禁止するのは視点を基準にしたものだという2点で合意に達していた。今回の法廷では不道徳・スキャンダラスな表現の禁止についても視点を基準にしたものであり、実質的に適用範囲が広すぎることから修正第1条に違反すると判断し、控訴審判決を支持している。
スラドのコメントを読む | YROセクション | YRO | 法廷 | パテント | アメリカ合衆国
関連ストーリー:
米連邦最高裁判所、侮蔑的表現を含む商標の登録拒否は憲法違反とする控訴裁判所の判決を支持 2017年06月23日
米控訴裁判所、侮辱的な表現を含む商標登録の拒否は憲法違反との判断 2015年12月27日
米連邦地裁、ワシントン・レッドスキンズの商標登録を抹消するよう命令 2015年07月12日
米特許商標庁、ワシントン・レッドスキンズの商標登録を抹消する決定 2014年06月21日
※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク
関連キーワード