ワイン投資を副業ビジネスにするには

2019年6月29日 09:25

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 副業を考えている人で、投資に関心のある人は多いだろう。しかし「リスク」が気になるために、株式投資や不動産投資を躊躇する人もまた同様に多い。

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 「投資」といっても、金融商品ばかりではない。日々世界中で楽しまれている「ワイン」も、投資の対象となっている。

■ワイン投資はとてもシンプルだ

 具体的なワイン投資の方法だが、これについてはいたってシンプルだ。まず、できて間もない若いワインを購入する。購入したワインを保管し、数年間熟成させる。すると、数年後に熟成されたワインは価値が高まり、購入時との差額分が利益となるのだ。

 ワイン愛好家にとっては、日頃の趣味を活かすことができる点は大きな魅力だろう。しかしワイン投資が行われるのは、単にワインが”美味しい”という理由だけではない。

 ワインは嗜好品であると同時に、「現物資産」でもある。そのため世界情勢の影響を受け難く、インフレにも影響されないので価値が安定している。金ほどではないが、価値が安定していることから、世界の富豪が自己資産の一部をワインに代えることも珍しくない。

 投資としての「リスク」が低く、現物資産であることがワイン投資の大きな魅力となっている。一方で、短期的に利益を得るのには向いていないのがデメリットだ。

■最も大きな障害はワインの”保管”

 数年後に価値が上がると予想されるワインを見極める能力はもちろん重要だが、それ以上に問題なのは保管だ。デリケートなワインを正しい方法で保管しなければ、うまく熟成しない。さらに輸送時の破損などにも注意する必要がある。

 そのため、ワイン投資で重要なのは「倉庫」を確保することだ。温度・湿度が適切に保たれている倉庫が必要になり、こうしたワイン投資向けの倉庫にも需要がある。東京・天王洲を一変させたことで知られる寺田倉庫は、ワイン投資向けの倉庫を用意していることでセレブの間では有名だ。

 近年、倉庫業界では個人向けサービスの提供を始めている。ITを活用したサービスによって、預けている”資産”を管理できるという仕組みだ。ワイン投資を個人レベルで副業ビジネスにする時代も、そう遠くはないかもしれない。(記事:西島武・記事一覧を見る

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