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ナスカの地上絵には周辺にいない鳥が描かれていた 北大の研究
ナスカの地上絵は謎の多い文化遺産である。北海道大学総合博物館の江田真毅准教授らの研究グループは、ナスカ台地の鳥類の地上絵16点を研究し、ペルーに現在生息している鳥の形態と比較して、同定作業を行った。結果として、ナスカの地上絵には、ナスカ近辺には生息していない鳥の絵が描かれている事が分かったという。
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ナスカの地上絵は1994年に文化遺産カテゴリで登録された世界遺産だ。現在の登録名は「ナスカとパルパの地上絵」と言い、ペルーのナスカ川とインヘニオ川に囲まれた砂漠台地の地表に、2,000を超える動植物の絵が描かれている。
作られた時期は、パラカス期後期(2,400年前~2,200年前)からミドルホライズン(~10世紀)あるいはイカ期(~16世紀)と考えられている。いずれにせよ地上絵を作った人々は文字を持たなかったため、史料が極めて乏しく、何のために作られたのか、何を描いたのか等々、分かっている事は少ない。
今回の研究では、16点の地上絵のうち3点について、ペリカン類が2点、カギハシハチドリ類が1点と同定された。前述の通り、これらの鳥はナスカ台地には生息していない。ペリカンがいるのはナスカ台地から50kmほど離れた海岸部、カギハシハチドリ類がいるのはアンデス山脈の東側、あるいは北側のアマゾニア地域である。
また、「コンドル」「フラミンゴ」と呼ばれている著名な地上絵について調査したところ、形態学上の特徴がコンドル・フラミンゴとは一致せず、別の鳥のものだと見られるという。
今回の研究の詳細は、Journal of Archaeological Science Reports誌でオンライン掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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