エアバス、単通路では世界最長の航続距離となる「A321XLR」ローンチ

2019年6月19日 12:48

印刷

A321XLRのイメージ。(画像: エアバスの発表資料より)

A321XLRのイメージ。(画像: エアバスの発表資料より)[写真拡大]

●航続距離はナローボディ機最大の8700km

 エアバスは、A321neoシリーズの最新型派生機であるA321XLRをローンチしたと発表した。XLRはエクストラ・ロング・レンジの略で、従来のA321neoLRから航続距離を15%延長し、単通路機(機内の通路が1本のみ)の機体としては最大となる約8700kmを誇る。東京からの場合、インドのデリーやオーストラリアのシドニーなど、飛行時間が概ね10時間近くなる路線へ就航することができる。

【こちらも】JALのA350-900初号機、エアバスが初飛行を完了

●基本システムはA320と同様

 A321XLRは、現在運航されているA320neoやA321neoと共通の設計となっているため、パイロットの資格は共通となっている。機体はA321neoをベースとしており、主な改修点は、航続距離延長を可能にするための燃料タンクの増備や、燃料が増加することに伴って最大離陸重量が増加することに合わせた車輪部分の強化などがあげられている。これまで大型機材では採算性が取れなかった路線において、同機体を就航させることにより、利用者が少なくとも多くの利益を上げることが可能になる。

●スペインとポルトガルの航空会社が購入予定

 2019年6月現在、A321XLRの発注を確定させている航空会社は、スペインのイベリア航空とポルトガルのエアリンガス。導入により、これまで大型機でなければ運航することができなかった大西洋路線に就航させることを計画している。大型機材では採算を取ることができなかった地方都市を結ぶ路線で、収益を上げることができるとしている。

●日本の航空会社で採用するところがあるか

 今回ローンチされたA321XLRについて、日本の航空会社は導入を予定していない。これまで単通路の超長距離機はANAがB737-700ERを導入し、日本とインドを結ぶ路線に就航させていたが、採算性の面から機材を変更し、機体も売却している。ANAはA321neoを現在運航しており、A321XLRを導入することによって採算を取ることができる路線があれば、今後採用される可能性はあるかもしれない。(記事:speedbird・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事