「ホリエモンロケット」4号機、今夏に打ち上げへ 宇宙から折り紙飛行機も

2019年6月18日 17:09

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 堀江貴文氏が出資するインターステラテクノロジズが、今夏に観測ロケットMOMO4号機を打ち上げる計画が明らかになった。MOMO3号機は、5月に打ち上げ成功したばかりだ。同社は4号機の打ち上げに向けて、2,700万円を目標としたクラウドファンディングも開始している。

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■有志の集まりから開始した宇宙ベンチャー企業

 インターステラテクノロジズの前身となる、なつのロケット団は2005年、エンジニアや科学ジャーナリスト、作家らによって活動を開始した。その後、堀江貴文氏が創業した会社SNSが2006年になつのロケット団に加わった。SNSはロケットエンジンの開発に着手し、現在に至る。

 高度100キロメートル上空まで飛ばすことを目的にした観測ロケットの開発は、2014年から開始された。2017年7月に打ち上げられたMOMO初号機は宇宙に届かず、2018年6月に打ち上げられた2号機は途中で落下、炎上した。

 3度目となるMOMO3号機は5月に打ち上げられ、高度113.4キロメートルまで到達し、日本の民間企業単独では、初の宇宙空間への到達に成功した。

■宇宙空間で折り紙飛行機が飛ばせられるか

 今回のMOMO4号機で目玉となるのが、宇宙空間での折り紙飛行機を活用した実験だ。宇宙をより身近に感じ楽しんでもらうための試みだという。

 物の運搬はすでに3号機で成功している。高知工科大学が開発したインフラサウンド観測装置や、GROSEBALが販売するとろけるハンバーグが搭載された。とくに、ヒトが聞き取れないほどの低周波の音を出すインフラサウンド観測装置を利用した実験では、成層圏上空から熱圏下部で観測が実施され、データの採取にも成功したという。

 折り紙飛行機を利用した実験の概要も公開されている。高度100キロメートル以上の宇宙空間まで折り紙飛行機3機を運び、地上から発射ボタンを押して放出する。折り紙飛行機は大気圏へと再突入し、降下する予定だ。

 大気圏突入の際、宇宙船は高温になることが知られている。宇宙船によって押しつぶされた空気中の分子同士が衝突しあい、熱を発生させるためだ。ところが軽い紙飛行機の場合、大気圏突入前にはスピードが低下し、マッハ7以下で大気圏に突入することがシミュレーションによって判明している。

 2008年には東京大学の超音波風洞実験装置で、小型の折り紙飛行機がマッハ7に耐えたことから、今回の実験に組み込まれた。宇宙船と異なる挙動を折り紙飛行機が示すかどうかが見どころとなる。

 折り紙飛行機が無事海上に落下できれば、回収も検討されている。宇宙空間での折り紙を活用した飛行実験はもちろん世界初の試みである。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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